徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

【質問】応急処置どうすればいいか

3歳の息子が急に、38度を超す発熱を伴った全身けいれん発作を起こしました。けいれんは数分間でしたが、全身をひきつらせたり、体をガクガクさせたりしたので、どうしていいのか分からないほど驚きました。今後の予防策として、熱が出た際には解熱剤の座薬を使った方がいいのでしょうか。またどのように応急処置をすればいいのでしょうか。



【答え】経過観察をしても良い

ひうら小児科 日浦恭一

 熱性けいれんは、38度以上の発熱に伴って乳幼児に見られる発作で、髄膜炎などの神経系感染症や代謝異常、その他の明らかな発作の原因疾患の無いものに限られ、小児の7~8%に見られます。しかし、初めて熱性けいれんを経験したときは、驚きや不安に駆られ、けいれんの発作型や持続時間を正確に覚えている人は少ないでしょう。

 発作は発熱に伴って、急激な全身の強直・間代(ガクガクする)けいれん、意識消失、眼球の異常、呼吸の停止、顔色不良や口唇のチアノーゼなどが現れます。通常、発作は1~5分以内に自然に止まります。

 熱性けいれんは普通、予後良好な疾患です。けいれんが5分以内で止まるものや発作が1、2回だけのものは、後遺症を残すことはありません。再発率は約30%とされますから、過半数の子どもは一生のうちに一回だけの発作で終わります。

 しかし、中には何回も反復するものや1回の発作の持続時間が長い(15~20分以上)もの、片側性のけいれんや一過性の麻(ま)痺(ひ)など神経症状を伴うものがあります。このような症例には脳波やCTまたはMRIなど基礎疾患の検索が必要で、その後に再発の予防的な治療が必要となります。

 一般に、熱性けいれん発作は短時間で自然に止まりますから、特別な治療は行わずに経過観察をしても良いといわれます。発作時にはまず安静にして、楽に呼吸ができるようにします。発作終了後に嘔(おう)吐(と)することもあるので、吐物の誤(ご)嚥(えん)による窒息に注意します。

 けいれん中にはチアノーゼが見られることがありますが、終了後には回復しますから心配はいりません。舌を噛(か)まないように口の中にいろいろな物を突っ込むことは控えます。発作の停止後も時に再発がありますから、しばらくは安静にしてあまり激しく動かさないようにします。

 けいれんが治まってから必要な検査や治療、処置を行います。けいれんの持続時間が長いようであれば点滴、注射で停止させます。

 発熱時に熱性けいれんが必ず起こるとは限りません。解熱剤の使用に関しては、発熱のたびに解熱剤を使用しても熱性けいれんの発生は予防できないといわれます。

 複数回の再発例や基礎疾患を持つ子、熱性けいれんの重積症を経験した子には、発熱初期にジアゼパム坐剤(ざざい)(抗けいれん剤)を使用します。1回だけの熱性けいれん経験者に対して、最初からジアゼパム坐剤を使用することは勧められません。

 熱性けいれんは一生のうちに1、2回で終わるものがほとんどです。ご相談のように3歳で初発し、両親に熱性けいれんやてんかんの既往が無ければ、再発のリスクは低いと考えられます。無処置で経過観察して良いと思いますが、個別の発熱時の対応については主治医とご相談ください。

  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.