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 【質問】80代女性です。昨夏から腕や背中に発疹が出始めました。小さいぶつぶつに加え、手のひらや足の指、頭部などにも赤い発疹が広がり、かゆくてたまりません。数日で弱まっては、再発するという繰り返し。皮膚科や内科を受診し、かゆみ止めとアレルギー症状を抑える内服薬を処方されましたが改善しません。どのような原因が考えられるでしょうか。また、対策があれば教えてください。

 

花川皮フ科クリニック 花川靖 先生

 

 乾燥防ぎ生活習慣改善を

 【答え】かゆみを引き起こす皮膚疾患にはさまざまなものがあります。質問の場合、皮膚の発疹(皮疹)があるため、可能性の高い疾患として「痒疹」が挙げられます。痒疹は非常に強いかゆみを伴い、ぽつぽつとした赤い皮膚の盛り上がりが散らばってできる病気です。急性痒疹(小児ストロフルス)、亜急性単純痒疹、慢性痒疹(多形慢性、結節性)に分けられます。

 小児ストロフルスは幼少期、虫刺されが引き金となって手足や体に非常にかゆい丘疹(皮膚の盛り上がり)がたくさんできます。亜急性単純痒疹は、50歳以上の大人の手足や体にじんましんのような赤い丘疹がたくさん生じ、治るまでに時間がかかります。

 多形慢性痒疹は中高年の腹や腰、尻にできることが多い疾患です。丘疹が集まって塊となり、赤みやかさつきなどが入り交じった状態になります。結節性痒疹は虫刺されがきっかけとなり、主に手足(特に膝下)に丘疹より大きい5ミリ以上の皮膚の盛り上がりができます。

 質問された方は高齢で、皮疹と非常に強いかゆみがあります。治るまで時間もかかっていることなどから、亜急性あるいは多形慢性と考えられます。

 この他に推測できる皮膚病には、ヒゼンダニが皮膚に寄生して起きる疾患「疥癬」が挙げられます。指の間や手のひら、腹、脇などに皮疹が現れます。家族など日常的に接する人に症状があれば感染に注意が必要で、ダニや卵の有無を繰り返し調べなくてはなりません。

 糖尿病や慢性腎不全、肝臓疾患、リンパ腫などの全身疾患で痒疹が引き起こされるケースもありますが、直接の原因となることはまれです。検査がまだであれば、一度血液検査をしてもいいでしょう。

 かゆみを増強させる原因には、夏場の汗と冬場の乾燥があります。汗はシャワーでさっと流して清潔にし、40度以上の熱い風呂に入るのは避けてください。ざらざらとした素材のナイロンタオルは使わず、せっけんを泡立てて肌をこすらないように手で洗いましょう。風呂上がりに保湿剤を塗るのも有効です。

 また、疲労をため込まない、不規則な生活による睡眠不足を避ける、アルコールや香辛料を控えるといったことも、かゆみの軽減につながります。

 治療の基本は、かゆみを抑える抗アレルギー剤の内服薬とステロイドの外用薬となります。ステロイド外用薬は皮疹の状態や塗る場所によって、効果の強さの調整が必要です。

 自分では良くなったと思って薬を中止しても、まだ治っていないことがよくあります。赤みが引き、皮膚を触ってみて盛り上がりが分からなくなった後も、数日間は薬を続けてください。外用薬を塗る回数は通常1日2回ですが、かゆみが強いときは1日4回に増やしても良いでしょう。

 ただ、患者さん本人の自己判断で薬の種類や塗る回数を変えず、医師と相談の上で変更することが大切です。外用薬も長期にわたって使ったり、正常部位に塗ったりすると副作用が出てしまいます。

 かゆみが長引くと大きなストレスになります。自分の体や症状に合った薬を選ぶことが重要です。皮膚科専門医にご相談ください。

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