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左足のかかとに激しい痛み

【質問】市民マラソンに出場を続ける55歳の男性ランナーです。昨年10月、ランニング中に左足のかかとに激しい痛みがあり、走るのをやめて帰りました。その後も走っていて同じような痛みを感じました。病院を受診すると、足底腱膜炎との診断でした。まだまだマラソンを続けたいのですが、走るのはもう無理ですか。何か治療法があれば教えてください。

 

徳島大学病院 整形外科 殿谷一朗 先生

自分に合う治療法選択を

【答え】質問の症状は足底腱膜炎で間違いないと思います。

 足の裏には、かかとの骨から足先にかけて足底腱膜という線維の束が扇状に走っています。

 この足底腱膜が緊張し、かかとの骨とつながっている部分で引っ張り合う力がかかります。通常、「土踏まず」が衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。

 ところが、長年の負荷の繰り返しによって、足底腱膜とかかとの骨がつながっている部分が傷んだり、炎症を起こしたりして痛くなることがあります。これが足底腱膜炎です。

 長時間の歩行や立ち仕事など使い過ぎが主な原因で、中高年の女性に多い症例です。スポーツをする人にも見られ、ジョギング愛好家や陸上の長距離ランナーに多く発症します。

 症状が進行すると、X線画像で踵骨棘(しょうこつきょく)という骨のとげが見つかることがあります。ですが、とげ自体が痛みの原因ではないとされています。痛みはX線画像に写らない足底腱膜が原因です。

 保存療法では、足底腱膜のストレッチが痛みの軽減に効果的です。

 足のかかとから足首にかけて足の裏を反らし、ふくらはぎ、足首、足の筋肉を伸ばして筋肉を軟らかくします。10回を1セットにして、1日3セット以上を目安に行います。

 また、足の形に合う靴を履くようにしたり、かかとの負荷を減らすために靴の中敷き(足底挿板)を使ったりします。中敷きの素材には、かかとの部分に衝撃吸収材を用いることがあります。

 質問のようにスポーツが原因ならば、一定期間のランニング中止など活動制限が必要かもしれません。

 それでも改善しない重症の場合は、足底腱膜とかかとの骨とつながっている部分を切り離す手術や、かかとの骨のとげを切除する方法もあります。

 足底腱膜炎の原因や症状を十分理解した上で、自分に合う治療法を選択することが大切です。回復した後、再び人生に潤いをもたらすマラソンを楽しんでください。

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