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【質問】 1歳児の鼻水・発熱続く

 1歳男児の母親です。鼻水と発熱があったので病院に行ったところ、RSウイルス感染症だといわれました。どのような病気で、どれくらいの期間で治るのでしょうか。再発や重病化する心配はないのでしょうか。



【答え】 RSウイルス感染症 -症状治まるまで対症療法-

徳島市民病院 小児科 山上貴司

 RSウイルス感染症の一般的な流行は、毎年10月から11月に始まり、インフルエンザウイルス感染症が流行する直前の12月から翌年の1月にピークを迎え、4月に収束します。しかし、ここ数年は流行の開始が9月だったり、流行が6月まで続いたりして、季節性が不安定になっています。

 あらゆる年齢においてRSウイルスに罹患(りかん)しますが、その症状は年齢によって大きく異なります。一般的な症状は、鼻水やせきなど、いわゆるかぜの症状が中心で、時に発熱を伴います。典型的な経過は、軽微な鼻水から始まり、徐々にたん絡みのせきが増え、時に、ぜーぜーという喘鳴(ぜんめい)を伴うようになります。

 それらの症状は、罹患してから5~7日後がピークで、その後は軽快し、2~3週間で治ります。また、年少児は繰り返しかかることも珍しくありません。

 徳島市民病院小児科では、新型インフルエンザが大流行した2年前のシーズンの入院数は、インフルエンザウイルス感染症が68人に対し、RSウイルス感染症は168人でした。また、RSウイルス感染症の入院患者のうち、約50%が1歳半以下、約90%が3歳以下で、逆に、6歳以上は0.3%にすぎませんでした。

 このようにRSウイルス感染症は、学童期以上の子どもにとっては軽症の呼吸器感染症ですが、年齢が低くなるにつれて重篤な感染症になります。特に、空気の通り道である気管が細い乳幼児では、たんのほか、脱落した気管支の粘膜や細胞により空気の通り道がふさがれ、呼吸がしにくくなって重症化します。この状態を細気管支炎といいます。

 また、新生児期や生後3カ月前後までの乳児期早期では、せきや鼻水などの症状がなく、呼吸が止まる、いわゆる無呼吸という状態で発症し、人工呼吸器が必要になり、乳幼児突然死症候群の原因にもなっています。あまり知られてはいませんが、RSウイルス感染症の致死率は、インフルエンザウイルス感染症に比べて10倍以上に上るといわれています。

 RSウイルスでは、母親から赤ちゃんへの移行抗体はなく、予防接種も実用化されていません。予防として、単クローン抗体接種が効果を上げていますが、薬剤が高価なため、対象が高リスク児(早産、心疾患、呼吸器疾患)に限られているのが現状です。

 治療薬としての抗ウイルス剤は開発されておらず、症状に合わせた治療(対症療法)に限られています。対症療法では、鼻汁や気道分泌物の吸引・除去、気管支拡張剤の投与などが主になります。多くの場合、症状が治まるころ(罹患から1週間すぎ)まで、何らかの治療が必要になることが多くみられます。

 RSウイルス感染の流行時には、赤ちゃんや小さな子どもがいる家庭では、両親や年齢の離れたきょうだいの軽微なかぜ症状から感染することがあるので注意が必要です。

徳島新聞2011年11月13日号より転載

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