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【質問】 手足が震え動きが鈍い

 70代の男性です。最近、手足が震えて動きが鈍くなり、病院に行くとパーキンソン病だと言われました。どのような病気で、改善することはあるのでしょうか。日常生活で気を付けることがあれば教えてください。



【答え】 パーキンソン病 -薬や気の持ちようで改善-

伊月病院 院長 西田善彦(徳島市徳島町2丁目)

 パーキンソン病は好発年齢が60歳以降であることから、近年は、人口の高齢化とともに患者数が増加しています。この病気は、頭の奥深いところにある中脳の黒質という部分の神経細胞が、原因不明で障害され、その細胞から分泌されるドパミンが欠乏して運動障害を起こすと考えられています。

 運動障害としては▽振戦(手足などの震え)▽筋強剛(筋肉がこわばり力が入りにくく動かしづらい)▽無動(動作がゆっくりになったり小さくなったりする)-などが知られています。

 これらの症状は、ドパミンを薬として補充することにより改善がみられます。薬を使うことにより、5~10年は症状をうまくコントロールすることが可能ですが、後に病気が進行すると姿勢保持障害が加わり、転びやすくなったり、すくみが生じたりして、日常生活に支障を来すようになります。

 こうなると、難病として特定疾患に認められ、公費負担を受けることも可能となります。しかし、一般にこのような状態になってもうまく薬を組み合わせて治療すると、天寿をほぼ全うできるとされてきました。

 以上が、最近まで言われてきたパーキンソン病の特徴です。ところが、この10年の間に運動症状以外の研究が進められ、自律神経症状、精神症状、その他の症状が知られてきました。

 まず自律神経症状ですが、従来の便秘や立ちくらみに加えて、早期からにおいが分からなくなる嗅覚障害や、心臓の交感神経系の障害が認められました。このうち、特に嗅覚障害はパーキンソン病の発症以前からみられることが報告され、発症前の診断に役立つと考えられています。

 次に精神症状ですが、パーキンソン病患者の約40%の人に抑うつがみられるという報告のほか、昔は認知症にならないと言われていたのが、むしろ80歳を過ぎると何らかの認知症を伴うことが多いと言われるようになりました。

 その認知症の特徴は、アルツハイマー病とは違い、物忘れは年齢相応で病識もありますが、理解力、判断力、問題解決力などが低下し、これまで簡単にできていた作業や仕事などに時間がかかったり、できなくなったりします。身体だけではなく頭も硬くなるわけです。その他の症状として▽疲労しやすい▽体が痩せる▽身体が痛くなりやすい-などがあります。

 つまり、パーキンソン病は従来、身体が震えながら動きにくくなる運動疾患と考えられていましたが、最近では、自律神経をはじめとして精神症状や感覚症状もあり、全身性の疾患として考えられるようになってきました。

 精神症状の中で抑うつについては、薬以外でも気持ちの持ちようによって改善することができます。また、運動症状も緊張すると震えや足などのすくみがひどくなることが知られており、これらも気の持ちようにより改善することができます。

 食事療法は必要でなく、何かをすると良くないという制限のある病気でもありませんので、将来は根本的な治療法が見つかると考え、前向きに療養されることをお勧めいたします。

徳島新聞2011年10月2日号より転載

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