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【質問】 生理出血多く鉄分低い

 40代の女性です。5年ぶりに子宮がん検診を受けたところ、5センチ大の子宮筋腫があると言われました。生理の出血量が多く、貧血の自覚症状はありませんが鉄分の数値が低いようです。あと数年で閉経になると思われますが、筋腫ががんに移行する場合があると聞き、不安を感じています。婦人科の医師からは、数人に一人は筋腫があると言われただけでした。手術をしなくてもいいのでしょうか。



【答え】 子宮筋腫 -症状・苦痛あれば手術も-

徳島県立中央病院 産婦人科部長 前川正彦

 子宮筋腫は、子宮筋層の平滑筋から発生する良性腫瘍で、成人女性の20~30%にみられる頻度の高い病気です。筋腫は、卵巣から産生されるエストロゲン(女性ホルモン)によって閉経に至るまで増大し、閉経後は縮小します。発生部位によって漿膜下(しょうまくか)筋腫、筋層内筋腫、粘膜下筋腫に分類されます。(図参照)

20110313子宮筋腫
 
 症状としては<1>過多月経<2>過多月経による貧血<3>不妊や流産を繰り返す不育<4>頻尿など周辺臓器への圧迫症状-などがありますが、筋腫の部位が子宮内膜に近いほど<1>~<3>の症状が出やすくなります。

 ご相談の方は、検診で5センチ大の筋腫を指摘され、月経量が多く鉄分の数値が低いことから、自覚症状はないようですが貧血があると思われます。

 過多月経とは「月経血中に大きな血の塊がある」「ナプキンを1時間ごとに交換する必要があるほど出血量が多い」などの症状をいいます。結果として貧血になることが多く、その程度によって▽動悸▽息切れ▽体がだるい▽疲れが回復しにくい-などの症状が出ます。しかし、貧血がゆっくり進行すると自覚しないこともありますので、過多月経が疑われる方は産婦人科でご相談ください。

 筋腫の悪性化に不安を感じておられるようですが、子宮筋層から発生する悪性腫瘍に子宮肉腫があります。子宮体がんは子宮内膜から発生しますので異なります。子宮肉腫はまれな病気であり、子宮筋腫とよく似たタイプ(子宮平滑筋肉腫など)の場合には術前の区別が困難です。一般的には、筋腫が肉腫に変化することはないだろうと考えられています。しかし▽子宮が急速に増大する▽経過観察していた筋腫が急に大きくなる-といった場合には精密検査が必要です。

 治療が必要かどうかは▽症状があるかどうか▽苦痛を感じているかどうか-が判断基準になります。日本人の平均閉経年齢は49.5歳で、56歳までに約90%の女性が閉経を迎えるといわれています。閉経までまだ数年あるとのことですので、今後さらに筋腫が増大していくことを考えれば、貧血を含めた治療が望ましいと考えます。

 手術療法としては、子宮摘出術(腟式手術、腹腔鏡下手術、開腹手術)や、子宮は温存できるものの筋腫再発のリスクがある筋腫核出術(腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術、開腹手術)があり、その他、子宮を温存できる子宮動脈塞栓術(健康保険適用外)や、薬物療法(GnRHアゴニストを用いた偽閉経療法)などの選択肢があります。

 各治療法にはそれぞれ適応と長所・短所がありますので、選択に際しては担当の医師とよくご相談ください

徳島新聞2011年3月13日号より転載

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