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【質問】 6年生、今後伸びるか心配

 小学6年生の長男の身長が130cmしかありません。よく食べるし、好き嫌いはないのですが、両親の身長が低ければ遺伝するのでしょうか。今後伸びると信じて待つか、治療をした方がいいかの目安はありますか。



【回答】 低身長 -成長曲線で病気か判断-

徳島大学病院 小児科助教 小谷裕美子

 身長が標準か否かを判断する指標として「SDスコア」があり、「標準身長体重曲線(成長曲線)」で調べることができます。例えばご相談のケース(A君と呼びます)は、6年生ですので仮に12歳0カ月とします。身長130cmは「マイナス2.5SD」の線上です。思春期の影響があるために厳密には違いますが、この「マイナス2.5SD」は、同性同年齢の日本人小児の正常集団で170人に1人いるイメージとなります。

 ちなみに、「マイナス2SD」「マイナス3SD」は、それぞれ50人、千人に1人が存在するイメージです。「マイナス2SD~マイナス2.5SD」の範囲なら、病気である可能性は経験上少ないです。

 A君は比較的小柄といえますが、それが個性なのか病気によるものなのか、また、今後身長が伸びるかどうかが気になられているようです。それも、母子手帳に載っている成長曲線で判断することが可能です。母子手帳には、標準ラインの上限、下限が示されていますが、その範囲内に収まっているかどうかよりも、ラインのカーブに沿った成長をしていれば問題ありません。

 このカーブは、1年間に伸びる身長(成長率)によって形が変化します。男児の成長曲線をみると▽出生から4歳まで▽4歳から11歳まで▽11歳から15歳まで-で、カーブの傾きが変わることに気付くと思います。これは、成長率に影響する要因が年齢ごとに違うからです。1歳半までは食事量、思春期までは成長ホルモンや甲状腺ホルモン、思春期になれば性ホルモン・成長ホルモンの分泌量の増加が影響力を発揮するのです。

 成長曲線に、これまで測定した身長を、測定した年齢を月単位まで正確に確認して書き込んでみてください。典型的な「成長ホルモン分泌不全性低身長症」なら、1歳半から徐々に成長曲線を下に横切るようになります。3歳以降で標準ラインに沿っている場合は成長率に問題がなく、成長ホルモンの分泌不全症は考えにくいと思います。

 A君の場合、思春期の発来によって成長率が大きく左右される年齢ですので、“おくて”であれば周りのお子さんと比べて低身長が目立ち始めます。成長曲線が、11歳までに標準ラインのカーブに沿わず、成長率が悪ければ、その程度によって成長障害の精査が必要になるかもしれません。11歳ごろまで標準ラインに沿っているなら、思春期の発来があるかどうかの確認が必要です。

 思春期の発来は、男児では平均11歳ごろに精巣容量が4ml以上に増えること、女児は9歳半ごろに乳輪のしこりが出現することから始まります。男児の思春期発来は家族では分かりにくいかもしれません。身長の相談を熱心に受けている小児科医なら、思春期の進み具合を判定し、身体の年齢を表す骨年齢と実年齢との差をみて病的かどうか判断してもらえると思います。

 また、遺伝についても心配されているようです。身長に影響する遺伝要因はたくさん想定されており、遺伝情報が類似している両親の影響を強く受けることは疑いありません。特に男児はその傾向が強いといわれています。最終的な身長は予想できませんが、疫学的には両親の身長とお子さんの身長には、下のような関係があるといわれています。

 心身の病気が隠れている場合は別ですが、身長は人間性を規定するものではありません。個性と受けとめ、お子さんの健やかな成長を楽しむためにも、成長曲線を書いてみてください。

徳島新聞2011年2月27日号より転載

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