徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

【質問】 発熱や鼻水が長引く

 1歳の男児です。37度前半の熱と、鼻水、くしゃみといった風邪の症状が、1週間たっても治りません。病院に行って別の病気に感染するのが嫌なので診察は受けていません。幼い子には、薬を使わず免疫力を高める方がいいとも聞きますが、長引くと肺炎を起こさないか心配です。どのような症状なら病院に行く方がいいのか教えてください。



【回答】 子どもの風邪 -2次感染なら重症化も-

ふじの小児科クリニック院長 藤野佳世(小松島市坂野町平田)

 子どもさんの体調が悪いと、家族は心配だと思います。冬場などの感染症が多い時期には、病院で別の病気にかかるのが心配という気持ちもよく分かります。

 風邪の症状が軽いときには、まず安静にして保温することが大切です。機嫌が悪くなく、きちんと栄養が取れている状態であれば、自宅で様子を見ればいい場合も多いと思います。ただし、風邪の症状で始まってもこじれる場合がありますので▽咳(せき)や鼻水が多い▽高熱がある▽微熱が続く▽不機嫌▽食欲がない-などの症状がある場合には、小児科医の診察を受け、必要な検査や治療をした方がいいと思います。

 また、鼻水、咳などの症状は、感染症だけではなくアレルギーによって起こる場合もあります。お尋ねのような症状でも、鼻詰まりでお乳が飲みづらかったり、夜に眠りにくかったりするといった症状がある場合は、治療が必要なこともあります。市販の総合感冒薬の中には解熱鎮痛剤が含まれていることがあり、小さい子どもさんには使いにくい場合があります。

 本来、乳児期中期の子どもは、母親からの移行抗体(免疫)が減少しており、感染症にかかりやすくなります。感染を繰り返しながら抗体を獲得し、成長とともに次第に強くなっていきます。第1子に比べ、第2子、第3子の方が早い時期に感染症にかかりやすく、保育所や幼稚園に通いだした最初の年は、頻繁に感染症にかかることもよくあります。

 感染症の流行時期には、病院の待合室でマスクを付けるとともに、待ち時間が長いときは車内で待ったり、受け付け後に診察時間に出直したりする工夫が大切です。本人の負担軽減や、ほかの子どもさんにうつさないために有効だと思います。

 風邪とは、種々の急性の気道感染症を指しますが、ウイルス感染による胃腸炎や発疹(ほっしん)症などを含むこともあり、インフルエンザなどを外す場合もあります。

 一部を除き、90%以上がウイルス感染によるものであり、風邪を引き起こす呼吸器ウイルスだけで230種類以上が知られています。▽毎年流行し、乳幼児は呼吸困難など重症化しやすいRSウイルス感染症▽夏風邪で高熱となるヘルパンギーナ▽風邪のウイルスで肺炎、脳炎を起こすもの-などいろいろあります。

 ウイルス感染に対する特効薬は、インフルエンザに対する抗インフルエンザ薬など一部のもの以外にはなく、治療は症状を緩和する治療となります。

 風邪のウイルスにより気道の粘膜が傷み、2次的な細菌感染を起こし重症化することがあります。2次感染で気道感染から肺炎まで進み、菌血症、敗血症、髄膜炎へと重症化することがあります。

 小児の風邪の2次感染の原因として最も多いのが、肺炎球菌とインフルエンザ菌(HIB)の二つで、そのほかに化膿(かのう)性連鎖球菌、ブドウ球菌などがあります。

 2次感染の治療には、抗生物質の投与がありますが、肺炎球菌とHIBに対して有効なワクチンが、諸外国では10~20年前から使用されています。これにより小児の細菌性髄膜炎と重症細菌感染の発症者数、死亡者数が激減しています。

 日本では、2008年秋にHIBワクチン、今年からは肺炎球菌ワクチンが接種できるようになりましたので、予防接種をすることをお勧めします。

徳島新聞2010年12月12日号より転載

  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
  • 徳島県医師会公益通報窓口について
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.