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【質問】 白内障手術後見えにくい

 90歳の父のことで相談します。10年ほど前に白内障の手術をしましたが、最近、曇っているような感じがして見えにくくて困るというのです。白内障の手術は、10年ぐらいで再手術しなければいけないものなのでしょうか。何度もできるものなのでしょうか。高齢のため、体力的なことは問題ないのかについても教えてください。



【回答】 後発白内障 -レーザー治療で視力回復-

川原眼科院長 川原 弘(板野郡上板町椎本)

 質問者の症状から、最も考えられるのは後発白内障です。後発白内障とは、白内障手術を行った人に発生する特殊な白内障です。白内障の手術は、濁った水晶体の中身を取り除き、水晶体の袋を残してその中に眼内レンズを挿入しますが、後発白内障は、この残しておいた水晶体の袋が白色に濁ってきたものです。

 目の中にすりガラスが入ったような状態ですから、症状としては、今回の訴えのように曇る感じがする以外に▽はっきり見えない▽かすむ-といったことが起きます。白内障の初期の症状とも似ています。ただ、混濁の程度が軽く、視力の低下やかすみがなければ治療の必要はありません。

 白内障の手術後、数週から数年で、10~15%の確率で発症するといわれています。視力に影響が出るほどに進行することもあります。最近は、手術法の工夫や眼内レンズの改良で起こりにくくなりましたが、かなり個人差はあるものの起きる人はいます。悪性のものではありませんが、一度濁ると透明に戻ることはなく、日常生活で予防できるものでもありません。

 治療は、まず痛み止めの目薬をして治療用のレンズを着けます。そこで、ヤグレーザーという特殊な光線で白く濁った水晶体の袋の真ん中だけを破ります。周りの水晶体は残っていますから、眼内レンズが外れることはありません。このレーザー治療は痛みはなく数分で済みますので、入院の必要はありませんし、高齢者でも十分行うことが可能です。眼帯を着けたり生活を制限したりすることもありません。多くの場合、このレーザー治療を一度受けると再発はなく、視力が回復します。

20101003後発白内障2

 治療後しばらくの間は、レーザーで切開した濁りの破片が目の中に散らばるので、ごみが飛んでいるように見えることがあります。これは飛蚊(ひぶん)症といって、破片は自然に吸収されるので心配ありません。まれに治療後、眼圧が上昇して緑内障になることや網膜剥離(はくり)を起こすことがあるので治療後も眼科を受診することが必要です。

 白内障の手術は、一度行えばまず再手術は必要ありません。眼内レンズも数十年はもつと考えられており、10年程度での眼内レンズ入れ替えは一般的ではありません。

 今回の質問は、後発白内障だと思われますが、もしかすると黄斑変性や緑内障など、ほかの病気が起きているかもしれません。後発白内障なら手遅れになることはありませんが、ほかの病気だと手遅れになる危険性があります。異常を感じたら、早めに眼科専門医を受診することをお勧めします。

徳島新聞2010年10月3日号より転載

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