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【質問】 2歳だがしゃべらない

 2歳8カ月の男児です。呼んでも振り返らず、単語も話しません。耳に手を当てているときがあり、聞こえていないのではないかと心配になります。どのような病気が考えられ、異常があればどのような治療法がありますか。幼児の聴力検査がどこでできるのかも教えてください。ちなみに、行動は活発ですが、母親の姿が見えないと不安がり、食事も落ち着いて一人では食べません。



【答え】 ことばの遅れ -年齢相応の理解度 検査を-

宇高耳鼻咽喉科医院院長 宇高二良(名西郡石井町石井)

 子どもは、家庭や社会の生活の中で、特に教えなくてもことばを自然に獲得していきます。1歳前後の始語から、1歳半で20~30、2歳で300、3歳で1,000語程度の単語を獲得するといわれています。

 相談者のように、2歳8カ月で意味のあることばを一言もしゃべらないというのは、少し遅いかもしれません。しかし、この2~3歳という年齢は特に個人差の強い時期でもあります。

 ことばの発達を診る上で大事なことは、どれだけしゃべっているかということではなく、年齢相応にことばを理解しているかということと、人と接しようとする気持ちがあるかという2点です。たとえ、今はしゃべっていることば(発語)が少なくても、年齢に応じた理解があれば、その後自然にことばが出てくることが大半です。いわゆる「おくて」といわれる子どもたちです。

 一方、周囲に関心を示さない子どもたち、人とかかわりを持とうとしない子どもたちは、ことばをしゃべる必要がないため、いつまでたってもことばの獲得ができません。自閉性障害といわれる子どもたちです。

 また、ことばは目から入る情報ではなく、お母さんや周囲の方たちの話し掛けなど、耳から入る情報で覚えていきます。従って、耳の遠い子どもたちはことばの理解が遅れ、ひいては発語も遅れがちとなります。耳が聞こえていても、音に関心のない子どもや知的発達に問題がある場合にも、同じようにことばの遅れを来します。そのほかに、口やのどの形態異常が原因となることもあります。

 少子化、核家族化、ビデオ・テレビゲームなどの一方通行のメディア、夜型生活など、昨今の子どもを取り巻く環境の変化はことばの発達に好ましくない影響を及ぼしています。しかし、ほとんどの場合、ことばの遅れの根本にはやはり医学的な問題が存在しており、医学的診断と対応が必要となってきます。

 ことばの発達を診ていく場合は、耳の聞こえや、口やのどに異常がないかどうかを押さえた上で、発語とともにことばの理解の程度、人とのかかわりの様子(コミュニケーション態度)を評価していきます。2~3歳以下の子どもの聞こえの検査には、特殊な機械と専門のスタッフが必要です。聞こえの検査とことばの発達の両方を診ることのできる医療機関は県内に数カ所あります。地域の保健センターや担当の保健師さんにお尋ねください。

 耳の聞こえに問題を来す疾患はさまざまです。子どもに最も多い滲出(しんしゅつ)性中耳炎は、治療によって聴力を改善することができます。先天性の高度聴力障害がみられる場合には補聴器を用いるか、人工内耳の手術を行います。ことばの遅れの背景に自閉性障害や知的発達の問題がある場合には、定期的な言語訓練を行い、ことばの発達を促します。

 ことばの発達は2~4歳ごろが最も盛んで、5歳にはことばの基本的仕組みは完成します。言語訓練も3~4歳ごろが最も効果的です。その意味からも早期に専門機関を受診することをお勧めします。

徳島新聞2010年8月22日号より転載

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