徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

【質問】 薬の副作用で便秘や湿疹

 70代の女性です。2年前、食欲がなく睡眠も取れないので病院に行ったところ、うつ病と診断されて入院しました。投薬治療で7カ月後に退院しましたが、半年後に同様の症状が出て再入院。ところが担当医も薬も変わりました。すると、副作用でおなかがパンパンに張り、舌が震え、便秘が続いています。腹部のCTや便の検査、胃カメラでは異常がなく、退院しましたが、両足に湿疹もできて、かゆみもあります。薬をやめるとまた症状が出ないか心配です。どうすればいいですか。



【答え】 うつ病 -異常あれば主治医に相談-

城西病院 副院長 小谷泰教(徳島市南矢三町)

 うつ病とは▽気分がめいる▽興味や喜びがない▽食事がとれない▽よく眠れない▽体がだるい▽物事に集中できない-などの症状が、2週間以上にわたってほぼ毎日続く病気です。症状の重い場合は死にたいと考えることもあり、毎年3万人を超える自殺者との関連から、近年、社会的関心が高まっています。

 うつ病の原因は不明ですが、脳内のセロトニンやノルアドレナリン系ニューロンの活動が低下していることが、その症状と関連していると考えられています。うつ病にかかると、心身の休養が大切になり、治療には主に抗うつ薬が使われますが、ほとんどの抗うつ薬に、このセロトニンとノルアドレナリンのどちらか、あるいは両方の働きを回復させる効果があります。

 抗うつ薬でよくみられる副作用としては、吐き気や眠気が有名ですが、これらの程度は軽く、多くは一時的なものです。ほかに、口の渇きや便秘、排尿困難、立ちくらみなどがみられる場合もあります。

 また、頻度は少ないのですが、服用するとかえって不安が強まったり、眠れなくなったり、イライラしたりすることがあるほか、発熱、下痢、体の震え、筋肉のぴくつき、発汗、錯乱などが出現するセロトニン症候群と呼ばれる副作用にも注意が必要です。

 紹介した以外にも、抗うつ薬にはさまざまな副作用がみられますが、その出方や程度には個人差があります。さらに、うつ病では多彩な体の症状が出現する場合もあるため、症状なのか副作用なのか、慎重な判断が求められることもあります。

 最近は、副作用の少ない抗うつ薬が次々に開発されてきており、安全に使えるようになりました。しかし、若者に比べると高齢者に薬の副作用が出やすい傾向がみられます。

 質問の女性は抗うつ薬による副作用として、おなかの張り、舌の震え、便秘、両足の湿疹があるということですが、湿疹については、一度皮膚科を受診されることをお勧めします。副作用の程度が強ければ薬を飲むことはとてもつらいものですが、くれぐれも自分の判断で服薬を中断しないように注意してください。

 うつ病は、いったん症状が消えて回復しても再発する可能性のある病気です。初めてうつ病にかかった人で50%、この女性のように2回、うつ病を繰り返した人では、実に75%の人が再発する危険性があるという報告もあります。また、中には薬を急激に減らしたり中断したりすることによって、不眠、イライラ、倦怠(けんたい)感、動悸(どうき)、目まいなどの中断症状が出現する場合もあります。

 抗うつ薬に限ったことではありませんが、処方された薬を飲んで異常を認めた場合は、速やかに主治医に相談してください。また、副作用の有無にかかわらず、どうしても抗うつ薬を減らしたい、やめたいと希望する人も、よく主治医と相談して指示を仰ぐようにしてください。

 主治医の説明や治療方針にどうしても納得できない場合には、セカンドオピニオンとして、ほかの専門医に相談するのもよいでしょう。

徳島新聞2010年7月11日号より転載

  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.