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【質問】 詳しい治療法知りたい

 50代の男性です。最近頻尿になり、病院で「前立腺肥大」と診断されました。治療法を詳しく教えてください。日常生活で気を付けなければならないことがあれば、併せてアドバイスをお願いします。



【答え】 頻尿を訴える前立腺肥大症 -まず薬物療法 残尿減らす-

徳島県立中央病院 泌尿器科医長 田上隆一

 頻尿は前立腺肥大症の代表的な初期症状といわれます。確かに、前立腺肥大症は頻尿の原因となります。しかし、頻尿は前立腺肥大症以外の原因によることもよくあります。実際、前立腺のない女性でも頻尿の訴えはあります。

 質問の方は、前立腺肥大症の診断を受けたとのことですので、その治療について述べます。ただ、中高年の男性で排尿に対する何らかの症状がある場合には、前立腺肥大症の病名で治療がなされることが多いのが実際の状況です。

 治療は、薬物療法と、経尿道的前立腺摘除術(内視鏡手術)といった手術治療があります。一般的に、初めは薬物療法を行います。よく使われる薬剤を紹介します。

 まず、α1ブロッカーは膀胱頸部(ぼうこうけいぶ)から前立腺部尿道の抵抗を取り、排尿をスムーズにします。頻度は少ないですが副作用として、血管の拡張によって低血圧を起こすことがあり、もともと低血圧の人には注意が必要です。

 残尿が多い人は、尿の排出が良好になると残尿が減る可能性があります。残尿が減ると膀胱内に尿がたまるまでに時間がかかり、頻尿が改善します。診断時に残尿が多いかどうかはエコー検査ですぐ分かります。

 次に、植物製剤は前立腺肥大症の症状の中で頻尿に最も効果があります。副作用が少なくて使いやすいですが、効果も強くはないのでα1ブロッカーなどと併用して使用することが多いです。

 抗アンドロゲン剤は肥大の縮小効果がありますが、ほかの薬剤に比べて心臓血管系などへの副作用がある場合があります。また、前立腺腫瘍(しゅよう)マーカーを低下させるため、前立腺がんが分かりにくくなることがあります。よく似ていますが、最近出た製剤に男性ホルモンの活性化を抑えて前立腺の縮小効果のあるものもあります。

 頻尿の訴えが強く、残尿が少ない場合は、抗コリン剤という薬の効果も期待できます。過活動膀胱による頻尿に使用される薬です。膀胱の緊張を取るもの、簡単に言うと膀胱を鈍感にする薬です。抗コリン剤単独では逆に尿を出しにくくすることもあるためα1ブロッカーを併用することがあります。

 前立腺肥大症の薬はさまざまな種類がありますが、前立腺のサイズや残尿量、どの訴えが特に強いかといった症状などで薬を選択します。

 これらの薬物が効果不良の場合には、手術治療が行われることがあります。ただ、前立腺肥大症に対する手術治療は、一般には尿を出しにくい排出障害の方に行われることが多く、頻尿に対する手術療法の効果は一定ではありません。

 最後に日常生活についてですが、薬剤の中には副作用として排尿障害を起こすものがあります。簡単な風邪薬にもそういったものがありますので、何らかの処方を受ける場合には、前立腺肥大症との診断を受けていることを必ず担当医に伝えてください。

 また、飲酒も排尿障害を起こしやすいので適切な量を十分注意してください。そのほか、適度な運動もお勧めします。特に、夜間の頻尿の方は夕刻のウオーキングなどの運動でかなり改善するといった報告もあります。

 薬物療法を受けていても効果不良の方は、再度主治医の先生によく相談してみてください。

徳島新聞2010年5月16日号より転載

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