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【質問】 12歳と40代の接種 効果は

 12歳の小学6年生の長女が、小児科で子宮頸がんワクチンの接種を勧められています。中学生になると勉強や部活で忙しくなり機会を逃すので、今のうちに受けた方がいいとのことですが、12歳で接種すれば、子宮頸がんには一生ならないのでしょうか。かかる率があるのなら何%くらいですか。また、40代の私(母親)も小児科で同時に接種できると言われたのですが、40代だとむしろ子宮体がんが増えるらしいのであまり意味がないのでは、と疑問に思っています。1回2万円で3回接種と、費用もかかるので悩んでいます。いかがでしょうか。



【回答】 子宮頸がん予防ワクチン -検診と合わせ死亡率ゼロ-

徳島大学病院地域産婦人科教授 古本博孝

 子宮頸がんの99%は、性交渉を介したヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって発生します。HPVは皮膚や粘膜にいぼを生じさせるウイルスで、100種類以上の型がありますが、このうち約15種類が頸がんの原因となります。

 HPVは感冒のように人類に広くまん延しており、性交経験のある人のほとんどはどこかで感染していると推定されますが、多くの場合は自然に治癒して問題を起こすことはありません。しかし、一部の人は持続感染に移行し、さらに、その中の一部の人に頸がんが発生します。

 HPVの感染を予防するワクチンは既に実用化されています。HPV16型と18型に対するワクチンで、両型に起因する頸がんならほぼ100%、これに近い31型、58型などもある程度予防することができるので、頸がん全体の70%程度を予防することができます。つまり、このワクチンを接種すると頸がんにかかる確率が30%に減少します。

 このワクチンには予防効果しかなく、既に感染したHPVには効果がないので、性交渉を始める前の12歳前後に接種するのが理想的です。ただ、最近になって、少なくとも25歳までの女性は性交経験があっても、経験のない女性に接種するのと同等の効果があることが明らかになりました。若い女性のHPV感染は一過性で、ワクチンが再感染を予防するためと考えられます。

 もちろん、26歳以上でも効果はありますが、30歳では51.7%、35歳では42.7%と効果は低下します。35歳で接種しても頸がんにかかる確率が約半分に減少するので、45歳までは接種するメリットがあるとする意見もあります。40代で接種することに意味があるかどうかは、このあたりをどうとらえるか個人の価値観によると思います。

 ワクチンの効果は、体の中にHPVを無毒化する抗体ができることによりますが、抗体の減少率をみると効果は20年以上持続すると推測されます。このワクチンが実用化されてからまだ8年ほどしか経過していませんので、長期的な効果は不明ですが、12歳で接種すれば追加の接種は必要ないと考えられています。

 大事なのは、ワクチンでは頸がんを100%予防することはできず、子宮がん検診は必要です。ワクチンと検診で頸がんの死亡率はゼロになるはずですので、ぜひ両方受けていただくようお願いします。

 子宮体がんは生活の欧米化にともなって増加していますが、無症状の頸がんと違って体がんの96%は不正出血があるので、不正出血があってすぐ受診すれば間に合います。

 一部の自治体でこのワクチンを公費で接種する動きが始まっています。徳島県でも石井町では11、14歳を対象に全額補助で接種することになりました。石井町の英断に拍手を送るとともに、ぜひほかの自治体も補助をお願いしたいと思います。将来のある少女たちを頸がんから守ってあげようではありませんか。

徳島新聞2010年5月9日号より転載

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