徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

【質問】 左胸に1cmのしこり

 40代の女性です。左胸に1cmのしこりがあり、針細胞診で調べたところ線維腺腫だと言われました。「問題ない」とのことですが、がんとは違うのでしょうか。線維腺腫について教えてください。



【答え】 線維腺腫 -診断後も経過観察を-

とくしまブレストケアクリニック 笹 三徳(徳島市中島田町)

 乳腺線維腺腫は、乳腺にできる腫瘍(しゅよう)の中で最も多くみられる疾患です。特に、若年者に多くみられます。真の腫瘍ではなく、女性ホルモンによる乳腺組織の異常増殖と考えられています。単発性、ときに多発性に起こることもあります。

 触ると、硬く感じることもありますが、弾力があります。表面はくびれていることもありますが、平滑で乳腺の中でよく動きます。25歳くらいまでは大きくなることがありますが、その後は大きくなることは少なく、自然になくなることもあります。

 診断は、マンモグラフィや超音波検査で診断できます。しかし、まれに乳がんのこともありますので、穿刺(せんし)吸引細胞診はした方がよいと思います。一般的に治療は必要ありません。経過観察で十分です。

 この腫瘍での問題点は2つあります。一つはまれに大きくなることがあることです。巨大乳腺線維腺腫といって、お乳全体を腫瘤(しゅりゅう)が占めるようになることもあります。このような場合は手術が必要です。

 問題点のもう一つは、葉状腫瘍と鑑別の難しい場合があることです。葉状腫瘍は真の腫瘍であって、良性から悪性までさまざまなものがあります。薬などが効きにくく治療方法は手術しかありません。急速に大きくなる場合もあるので、早めの対応が必要です。

 したがって、線維腺腫と診断がついてもしばらくは経過観察が必要です。大きくなる場合は切除が望ましいと思います。

 さて、ご相談の件ですが、画像診断も行っていることでしょうし、細胞診で線維腺腫とのことですので、診断は間違いないと思います。40歳で1cmの大きさとのことですので、治療は必要ないでしょう。先に述べましたが、まれに大きくなることがありますので、自己触診と1年に1回程度の画像診断による経過観察でよいと考えます。

 ここで、乳腺にできるしこりについて一般的な取り扱いを説明します。お乳にしこりがあれば、マンモグラフィや超音波検査などの画像診断を行います。それで本当の腫瘤なのか乳腺が硬くなっているだけなのかを判断します。次に真の腫瘤であれば穿刺吸引細胞診を行います。

 これで多くの場合は診断がつきますが、細胞診断はあくまでも補助診断で、確定診断ではありません。画像診断と細胞診の結果が合致しない場合などは、局所麻酔をして大きめの針で組織を切除する針生検を行います。

 針生検でほぼ100%の診断が可能ですが、それでも診断が難しい場合もあります。その場合は切除生検といって、しこりを切除することもあります。適切な治療方針決定には適切な診断が必須です。

 何と言っても早期発見が第一です。定期的な乳がん検診と自己触診をお勧めします。

徳島新聞2010年1月17日号より転載

  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
  • 徳島県医師会公益通報窓口について
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.