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【質問】 4ヵ月検診で「頭大きい」

 子どもが4ヵ月検診で「頭が大きい」と指摘され、今度CT検査を受けることになりました。「水頭症」の疑いがあると思うのですが、この病気の症状などについて教えてください。治療方法はあるのでしょうか。



【答え】 水頭症 -過剰な髄液除く必要も-

愛育小児科 平岡政弘(徳島市国府町)

 頭がい骨の中には脳のほかに髄液と呼ばれる液体があり、脳の表面と脳の中にある脳室というすき間を浸しています。頭が大きくなるのは、脳や頭がい骨が大きくなるほかに、髄液などの液体がたまることによるものがあります。

 脳自体が大きいものとしては、家族性巨脳症があり、両親のいずれかにもみられます。脳が大きいこと以外に発達の遅れなどの異常がみられなければ、脳の大きさの個人差とされ、特別な問題はありません。

 頭がい骨が大きいものとしては、骨の異常として頭の変形をきたしたり、四肢の長さに異常があったり、体のほかの部位に小奇形などの異常を認めたりすることがあります。

 頻度的に最も多いのが、ご質問の水頭症によるものです。これは、脳を浸している髄液の量が増えて頭が大きくなったものです。

 脳の内部には脳室という部屋が4つあり、それぞれがつながっていて、髄液で満たされています。髄液は脳室の表面にある一部の細胞で作られて脳室の中を流れ、さらに脳室から脳の表面へと循環して、脳の表面の細胞から吸収されます。

 髄液は、1日に3回入れ替わると言われています。髄液は脳を覆うことで、急激な運動をしても脳を衝撃から守る働きをするとともに、脳の中で生じた余分な物質を除く働きもしているのです。

 水頭症は生まれる前からの原因によるものから、生後の髄膜炎や脳内の出血、さらには腫瘍(しゅよう)によるものまでいろいろとあり、子どもだけではなくすべての年齢で起こることがあります。

 また、髄液の流れが閉そくしたために起こるものと、明らかな閉そく部位がないものとがあります。普通、前者では一部の拡大が、後者ではすべての脳室の拡大が見られます。

 水頭症になると急速に頭が大きくなることが多く、病院ではまず、頭囲の増大として気付かれます。頭囲とは、おでこと後頭部を通る頭の周囲の長さを言います。

 ご質問にあります4ヵ月健診で頭が大きいと言われたのは、この頭囲が4ヵ月相当の子どもの平均と比べて非常に大きかったということです。母子手帳には、身長や体重とともに頭囲の成長曲線が記載されており、正常下限と上限が示されています。この正常範囲をはずれる場合に異常を疑いますが、水頭症ではこの正常上限を超えていて、頭が急速に大きくなるため、その経過とともに正常上限の曲線よりさらに離れていきます。

 早期には、頭囲の増大のほかに明らかな症状はみられませんが、進行していくと頭の大きさが目立ってくるほか、元気がなくなったり、ほ乳量が減ったり、おう吐やけいれん、運動麻ひや意識障害が起こったりしてきます。また、頭の中央前寄りにあるくぼみの大泉門がやや盛り上がってきます。脳の発育にも影響するため早期の診断と治療が必要です。

 診断には専門医の診察のほかに、CTスキャンやMRI検査が行われます。脳室の拡大があるかどうか、また出血や腫瘍、奇形などの病変や頭がい骨の異常の有無も分かります。

 治療としては、頭囲の拡大が急速な場合や、症状や検査所見から頭がい内圧が進んでいると思われる場合には、一般的にまず過剰な髄液を除くドレナージが行われます。また、何らかの異常が診断されて治療できるものは手術を行います。

 子どもの水頭症の場合には、一時的にドレナージを行うだけでは、再び髄液が増えてくるために、脳室から腹腔(ふくくう)にチューブを通して永続的に余分な髄液を流すシャントが必要となることが多いです。

徳島新聞2010年1月3日号より転載

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