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【質問】 歯の治療で胎児への影響は?

 30代の女性です。先日産婦人科で、妊娠第5週と診断されました。妊娠が分かる10日前に、歯医者で歯の治療をし、麻酔注射と鎮痛剤1錠を服用したため、胎児に影響がないか心配です。妊娠中の薬の服用は、一切無理なのでしょうか。また、歯医者に行くのは、出産後まで我慢したほうがよいのでしょうか。



【答え】 妊娠中の服薬 -怖がらず医師と話し合う-

徳島大学病院産婦人科 佐藤美紀

 結論から話しますと、赤ちゃんが母体にいる時期によって、同じ薬でも影響が出たり、出なかったりするので、一概には答えることができません。また、妊娠前や妊娠中であっても、服用する薬の種類や量を変えることができるので、不必要に薬を怖がらず、主治医とよく話し合ってください。むしろ今まで飲んでいた薬を勝手にやめてしまったり、自分の判断で買ったり、もらったりして飲むほうが良くありません。

 今回のように、歯科医院で一般的に出される痛み止めの薬を、普通の量で短い期間服用したり、歯ぐきに麻酔の注射をしたりすることは、赤ちゃんにはほとんど影響しません。

 赤ちゃんの体は最初に、ものを考えたり、手足を動かしたりするための脳などの神経系が、続いて目や心臓がつくられ始めます。赤ちゃんの体は一度にできあがるわけではありません。そのため、体のそれぞれの部分ができる時期ごとに、影響を受ける薬の種類や、影響の大きさも違ってきます。

 赤ちゃんの体ができ始めるのは、妊娠4週から12週ごろに集中しています。この時期は、薬の影響を最も受けやすい時期とされ、私たち医者が薬を出すときは特に注意しています。

 また、妊娠4週未満では、飲んだ薬が赤ちゃんに影響した場合、残念ながら流産してしまうことが多いようです。逆に、妊娠16週から27週ごろになると、赤ちゃんの体の各部分はほとんどできあがっていて、薬によって奇形などが現れるリスクが大きく下がるといえます。しかし、体の成長に影響が出る可能性はまだ残されています。

 妊娠中に風邪をひいたり、便秘になったりする女性は少なくありません。熱を下げるためにはアセトアミノフェンを飲んだり、便秘には酸化マグネシウムやセンナを飲んだりします。いずれの薬も、過去の経験から比較的安全とされています。

 また、薬ばかりに目がいきがちですが、飲酒や喫煙も赤ちゃんに影響があります。妊娠したお母さんがたばこの煙を吸う場合、吸わない人に比べて、赤ちゃんの体重が軽かったり、成長に遅れが見られたりするといった報告もあります。また、妊娠中に常習的にお酒を飲むと、赤ちゃんの体や脳の成長に遅れが見られることもあります。

 妊娠した女性が虫歯や歯周病になったり、こじらせたりすることがあります。歯周病と早産との関係が指摘されていることや、出産後は赤ちゃんの世話で手いっぱいになり、通院もままならないことからも妊娠中であっても虫歯の予防や治療はしてください。

 いずれにしても、自分一人で心配せず、担当の先生に相談したり、家族に協力してもらったりしながら妊婦生活を楽しんでください。

徳島新聞2009年7月12日号より転載

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