徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

【質問】 胎児への影響が心配

 妊娠17週の妊婦です。初期の血液検査で、風疹(ふうしん)の抗体価が約五百倍という結果が出てしまいました。この半年、風疹にかかったような症状はありません。母に確認しても、母子手帳を紛失してしまったため、幼いころ風疹にかかったか、予防接種をしたかは分からないと言われました。症状がなくても、風疹に感染している可能性はありますか。また、胎児への影響はあるのでしょうか。



【答え】 妊婦の風疹 -リスク考え精密検査を-

徳島大学病院周産母子センター 三谷龍史

 風疹は発熱、リンパ節の腫れ、発疹(ほっしん)を主症状とするウイルス感染症です。俗に「三日はしか」と呼ばれ、一般に症状が軽く、特に症状の現れない不顕性感染で終わることもあります。 発疹(ほっしん)を主症状とするウイルス感染症です。俗に「三日はしか」と呼ばれ、一般に症状が軽く、特に症状の現れない不顕性感染で終わることもあります。

 初期の妊婦が風疹に感染することにより、風疹ウイルスが胎児にも感染し、白内障、緑内障といった眼症状、感音性難聴、先天性心疾患を主な症状とする先天性風疹症候群(CRS)が発症することもあるため、多くの医療機関で妊娠初期に風疹のスクリーニング検査を行っています。

 ご質問の風疹抗体価はおそらく、妊娠初期に行った風疹赤血球凝集(HI)抗体のことと思われます。HI抗体は症状出現後に上昇し始め、感染後約二週間以内にピーク(五百十二-千二十四倍)となり、約数カ月間高抗体価を維持したのち徐々に低下し、低抗体価で終生免疫となります。ただし、感染後早期でなくても高抗体価を維持することはまれではありません。

 今回の場合も、過去半年にわたり風疹の症状を認めないとのことですので、少なくとも妊娠初期の顕性感染の可能性は低いと考えられます。ただし、上記の症状がなくても不顕性感染の可能性は否定できませんので、HI抗体価の再検査、風疹特異的免疫グロブリン(IgG、IgM)抗体検査などの精密検査を受けることが望ましいと思われます。

 風疹ウイルスの胎児への感染リスクは、風疹の各症状があり風疹患者との濃厚な接触があれば60%、逆に不顕性感染で、風疹患者との接触がなければ4%となります。仮に胎児への感染が示唆されたとしてもCRS発症は胎児感染の約三割に過ぎません。

 このように風疹患者との接触の有無も、今回のご相談の解決に重要な情報となりますので、ご家族も含め、あなたの近隣に風疹の流行がなかったか、あなた自身が風疹患者との接触がなかったについてご確認ください。

 余談ですが、今回の場合、ご本人の風疹り患歴、ワクチン接種歴が不明だったことも不安の一因かと思われます。妊娠中に配布される母子手帳には妊娠、出産の記録のみでなく、子どもの風疹も含めた主な感染症のワクチン接種、り患歴についての記載欄があります。

 この記載欄に正確に記入することで、各種感染症のり患歴やワクチン接種歴が明確となるので、皆さんのお子さんが将来、各種感染歴の有無について心配されないよう、出産後も母子手帳を有効活用することをお勧めいたします。

徳島新聞2009年3月15日号より転載

  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
  • 徳島県医師会公益通報窓口について
  • 健康事業所宣言をし、認定を受けました。
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.