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【質問】 ほおに赤いできものが

26歳の女性です。ほおに2~3ミリの赤いできものができました。治らないので皮膚科に行ったら「血管が開いているので薬では治らない」と言われました。レーザー治療を勧められたのですが、危なくないのでしょうか。治療の内容を教えてください。また、健康保険は適用されますか。



【答え】 血管腫-さまざまな疾患の可能性-

徳島大学大学院ヘルスバイオ研究部形成外科学分野 山野雅弘

 年齢やできものの大きさ、医師の説明などを考えると、さまざまな疾患の可能性があり、質問の文面からだけでは診断できません。最も考えられるのが「血管拡張性肉芽腫(にくげしゅ)症」「クモ状血管腫」「老人性血管腫」の3つです。それぞれの疾患の特徴と治療方法を簡単に述べます。

 「血管拡張性肉芽腫症」は、数ミリからエンドウ豆大までの赤く柔らかい腫瘤(りゅう)で、口唇や指、顔面、乳頭などに多く発生します。ドーム状・きのこ状に隆起して、触れると出血しやすいのが特徴です。妊娠を契機に発生することがよくあります。

 この病気は、液体窒素による冷凍療法や局所麻酔下で切除術を行うのが一般的です。炭酸ガスレーザーで蒸散させることもありますが、このレーザーは質問にあるような血管拡張に使用する色素レーザーではなく、焼却するためのレーザーです。

 「クモ状血管腫」は、毛細血管拡張症の一種で、肝障害のある人にできやすいとされています。顔面や頸部(けいぶ)、胸部、肩などに多く発生します。深部から浅層に向かって垂直に上がってくる血管が拡張していて、皮膚表面から見ると直径1~2ミリの血管腫のように見えます。この血管を中心として何本かの細い血管が放射状に1~2センチ伸びており、あたかもクモのように見えることからこの名称が付いています。

 深いところまでレーザー光の届くロングパルス色素レーザーであれば有効なこともありますが、レーザー治療がよく効くとは言い難い疾患です。中央の拡張した血管を除けば、放射状に伸びた細い血管は徐々に消えてくるので、これを局所麻酔下に切除したり焼却したりするのが一般的です。ノーベルコロナという装置を用いるのも有効とされています。単純な毛細血管拡張症には色素レーザーが有効です。

 「老人性血管腫」は、中年以降に出現し、1ミリから小豆大までの鮮紅色をした血管腫です。やや隆起していて、大きいものではドーム状になることもあります。体幹(体の軸となる部分)に多いとされていますが、どこにできてもおかしくありません。年齢とともに増加します。色素レーザーを使用することもありますが、保険適応外疾患です。

 「血管腫に対するレーザー治療」は確立されたものであり、単純性血管腫・いちご状血管腫・毛細血管拡張症に保険適応があります。色素レーザーの波長が赤血球の中のオキシヘモグロビンに吸収されて熱を発生し、血管壁に熱変性を起こす仕組みです。

 皮膚の中にあるメラニン色素との吸収率の差が最も大きい波長を使用し、これにより皮膚が発熱しないようにしていますが、近年、照射直前に冷却ガスを噴霧することにより、さらに効率・安全性が上がっています。血管腫など赤血球が多く存在する部位だけに熱を発生するので安全なのですが、先に述べたように有効度の低い疾患もあります。

 いずれにしても、皮膚科・形成外科などの専門医を再度受診して、正式な病名診断と治療法をお尋ねになるのが良いと思われます。

徳島新聞2009年3月8日号より転載

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