徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

【質問】 失明の危険を減らしたい

 53歳の男性です。糖尿病網膜症は成人の失明原因の第1位という記事を読みました。私も糖尿病と診断されていますが、早い時期から治療を行えば、病気の進行を抑え、失明の危険を減らすことができると聞きました。今は何の症状もありません。しかし先生には「症状がなくても眼科を受診することが必要」と言われています。今後、どれくらいのペースで眼科に通えばいいのでしょうか。また、どんなことに気をつければいいのでしょうか。



【答え】 糖尿病網膜症 -自覚症状出る前に検査を-

賀島眼科 賀島 誠(阿南市富岡町)

 目の奥には、カメラに例えるとフィルムのような役割を果たしている網膜があります。糖尿病は、この網膜の血管に障害を起こし、網膜の隅々まで酸素や栄養が行き渡らなくなって糖尿病網膜症が起こります。 

 糖尿病網膜症では、目の痛みやかすみなどの自覚症状がないまま進行し、最悪の場合失明してしまいます。それを防ぐためには、悪くなる前に病院を受診し早期に治療を受ける必要があります。

 網膜症は進行過程に従って、単純糖尿病網膜症、増殖前糖尿病網膜症、増殖糖尿病網膜症の3段階に分けられます。単純糖尿病網膜症は、網膜の血管がもろくなり、網膜に点状の出血が起こるなどの軽微な変化が出ます。自覚症状は全くありません。眼科での治療は必要なく、血糖をコントロールすることで網膜症の悪化を予防できます。

 2つ目の増殖前糖尿病網膜症とは、網膜の血管障害がさらに進み、酸素不足によって網膜自体に障害が起こったものです。この状態でも自覚症状はほとんどありません。ただし、この段階になると、網膜にレーザー光線を当てる網膜光凝固という治療が必要となる場合があります。

 最後の増殖糖尿病網膜症では、網膜自体が傷付けられたことにより、新生血管という網膜に異常な血管が発生し、眼球内への出血や網膜剥離(はくり)などが引き起こされます。この段階に入っても人によっては自覚症状がないこともあります。この段階まで進んでしまうと、早急なレーザー治療や手術が必要になりますが、適切な治療を行っても視力低下や失明に至ることがあります。

 糖尿病網膜症は、初期でも検査によって異常を発見することが可能です。早期発見には、精密な眼底検査を定期的に行うことが必要です。ちなみに、精密な眼底検査では目薬によって瞳孔を開くので検査後、数時間はまぶしく感じて見えにくくなります。検査を受けるときは車での受診は控えてください。

 精密眼底検査の目安ですが、糖尿病網膜症の進行具合には個人差があり、かかりつけ医師の指示に従って検査を受ける必要がありますが、一般に、網膜症のない人は1年に1回、単純網膜症の人は3カ月半に1回、前増殖網膜症の人は1~2カ月に1回、増殖網膜症の人は1週間から1カ月に1回と言われています。

 相談者のような50代では仕事も忙しく、病院を受診する時間をつくるのも大変だろうと思います。まして自覚症状もなければ、無理をしてでも受診する気にもなれないでしょう。しかしながら、糖尿病網膜症は、自覚症状が出たときには手遅れとなってしまっていることがあります。まず一度眼科を受診して精密な眼底検査を受けることをお勧めします。

徳島新聞2008年10月26日号より転載

  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.