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【質問】 のどの痛み・高熱が出る

 35歳の男性です。扁桃(へんとう)腺の腫れによる熱で悩んでいます。毎年のように高熱が出て、食事がのどを通らず苦労しています。手術をしたら熱が出なくなると聞いたのですが、費用はかかるのでしょうか。入院日数はどのくらい必要なのでしょうか。扁桃腺が原因と思われるいびきもあるのですが、手術で治るのでしょうか。

 

 

【答え】 慢性扁桃炎 -摘出手術で改善も可能-

田中医院 院長 田中 幸穂(徳島市中前川町4丁目)

 扁桃炎には高熱やのどの痛み、関節痛、全身けん怠感、頸部(けいぶ)リンパ節の腫れを伴う急性のものと、急性扁桃炎を繰り返す慢性のものがあります。急性扁桃炎は薬で、慢性扁桃炎は手術で治療をします。このうち慢性扁桃炎は、放置しておくと腎臓など内臓の機能障害を起こす可能性もあります。

 扁桃腺はリンパ球の集まりで、外部からの菌の進入を防ぎ、感染を防止する器官です。

 のど(咽頭(いんとう))には《図》のように数種類の扁桃腺があり、代表的なものが口蓋(こうがい)扁桃と咽頭扁桃です。一般に扁桃腺といわれているのは口を開けたとき両側に見える口蓋扁桃のことで、十歳くらいまでは肥大がありますが、それ以降は収縮します。一方、咽頭扁桃やその付近のリンパ節が増大したものをアデノイドといいます。

 手術をするのは<1>扁桃腺が大きく、食事のときに飲み込むのが難しいなどの障害がある<2>急性扁桃炎を繰り返す<3>扁桃腺が原因で腎炎など他の内臓に障害を起こしている-場合などです。急性扁桃炎を起こしていると手術ができないので、薬などで治療をして全身の状態が良くなったときに行います。手術は局所麻酔か全身麻酔で、口を開けた状態で行い、主に扁桃摘出術という方法で両側の口蓋扁桃腺を根本から取り除きます。

 その効果ですが、手術前の状態に比べて8割程度の改善が期待できるといわれています。質問の文面からは扁桃腺の詳しい状態は分かりませんが、手術が適当かと思われます。

 手術をすれば扁桃炎による発熱や、扁桃肥大が原因のいびきもなくなると思います。近くの耳鼻科を受診し、手術が必要かどうかの相談をした方がよいと思います。入院期間は1~2週間で、費用は状態によって異なりますので、医療機関で尋ねてみてください。

徳島新聞2007年12月9日号より転載

 

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