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【質問】 尿漏れが何度も続き心配

 60代の女性です。尿漏れで悩んでいます。最初は、夜に何度もトイレに行くことから始まりました。「寒さのせいかも」と心配はしていなかったのですが、暖かい昼間でもよくトイレに行くようになりました。突然トイレに行きたくなることも度々で、間に合わずに漏らしてしまうことが何度か続くようになってきました。年をとると、ますますひどくなっていくのでしょうか。薬を飲めば治るのでしょうか。



【答え】 過活動膀胱 -泌尿器科的病気も潜む-

玉真病院 院長 神田 光則(阿南市宝田町荒井)

 最近、尿漏れや頻尿について新しい考え方が提唱されてきました。過活動膀胱というものですが、相談者の場合、まさしくその典型例と思われます。

 過活動膀胱は、その文字が示すように「活動し過ぎる膀胱」という状態です。膀胱は尿をためる働きと、たまった尿を出す働きをバランスよく行っています。そのバランスが尿を出す方にばかり傾くと、たまる前に出てしまうといった状況になります。

 つまり「尿意を感じるとトイレに間に合わないのではと思う」、あるいは「実際に間に合わずに漏れてしまう」といった症状があると、過活動膀胱と診断できます。ここで注意してほしいのは、症状のみで診断がつくということです。

 ただし、このような症状をきたす原因については、時に泌尿器科的な病気が潜んでいることがあります。主なものとしては膀胱炎、膀胱腫瘍、膀胱結石などです。

 また、まれに脳や脊髄の病気を患ったことがある場合も原因となります。もちろん、そうした原因のない場合の方がはるかに多いので、心配せずに近くの医師に相談してみてください。

 病院でする検査は、まず検尿です。検尿で血尿や尿に白血球が出ている膿尿(のうにょう)がないかを確認します。膀胱炎の場合は尿中に白血球や細菌が認められ、膀胱腫瘍や膀胱結石では尿中に赤血球つまり血尿が認められます。検尿がきれいなら、ほとんどの泌尿器科的異常はないといえます。

 次に行うのは、膀胱の超音波(エコー)検査です。この検査は下腹部にエコーの機械を密着させて、膀胱の形や残尿(排尿後にまだ膀胱内に残っている尿)を診る検査です。排尿後に行い、残尿を確認します。

 残尿が多い場合は、脳や脊髄の障害、男性なら前立腺肥大症を考えて精査します。検尿もエコー検査も全く痛みのない検査です。検尿がきれいで、残尿も少ない人がほとんどです。

 さて、この2つの検査をした後、治療に移るわけですが、内服治療には抗コリン剤という種類の薬を用います。抗コリン剤は活動し過ぎる膀胱をリラックスさせる作用があります。いつも尿を出そうとする膀胱を、もっと尿をためる膀胱にする薬です。

 抗コリン剤はのどの渇きなどの副作用がありますが、最近は副作用を抑えた新しい薬も登場しており、内服治療がしやすくなっています。水分やカフェインを取り過ぎないようにしたり、排尿を少し我慢する膀胱訓練なども行います。

 ご質問ですが、確かに年を取ると過活動膀胱の人は増えてきます。70歳で約20%の人に起こるともいわれています。時に原因となる病気があるので泌尿器科での精査が必要な場合もありますが、多くの人は検査、治療とも苦痛はありません。よく効く薬もあるので、近くの医師に相談してください。

徳島新聞2007年3月11日号より転載

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