徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

【質問】 毎晩、尿の回数が多い

 82歳の男性です。以前から尿の回数が多く、最近は特に夜が増えています。ほとんど毎晩1時間おきくらいに5~6回は行きます。そのため寝不足で、無気力になりがちです。市販の薬や病院の泌尿器科でもらった薬をのんでも症状は改善しません。脱水症状を恐れ、水分はよく取りますが、それ以上に尿の方が多いような気がします。もう、年のせいで、どうにもならないのでしょうか。何か改善の方法はないものでしょうか。ちなみに私は3年前に胃の摘出手術をしています。また今年6月に肺がんの手術をしています。



【答え】 夜間頻尿 -飲水量・食事など記録を-

徳島県立中央病院 泌尿器科 稲井 徹

 手紙を拝見しました。特に寒い季節になると、夜間にトイレに行く回数が増える人が多く、睡眠不足になり、昼間の生活にも支障をきたすのはつらいものです。高齢者の夜間頻尿は、日常生活の質を低下させる大きな原因の一つです。

 夜間頻尿とは、夜間就眠中に1回以上排尿に起きることを言います(2002年国際尿禁制学会の定義による)。夜間頻尿には、夜間多尿(尿の量が多い)、膀胱(ぼうこう)容量の低下、排尿障害が大きな原因と考えられます。さらに下部尿路疾患(膀胱、前立腺の疾患)、高血圧などの心循環器疾患、内分泌異常、睡眠障害などが関係して夜間頻尿が起こることもあります。

 夜間多尿は、排尿日誌をつけると明らかになります。排尿時刻、排尿量、飲水量、食事、内服薬などを記録してみましょう。夜間尿量が1日尿量の35%以上あれば夜間多尿であり、水分摂取の過剰も分かります。脱水症状を恐れて水分をよく取るとのことですが、排尿記録により、就寝前の水分摂取が夜間頻尿の原因かどうか判断できます。

 高血圧の人も夜間多尿となります。糖尿病、うっ血性心不全、尿崩症、利尿薬の服用、カフェインやアルコール摂取などが夜間多尿の原因となることもあります。

 膀胱容量の低下はさまざまな原因で起こります。過活動膀胱、間質性膀胱炎、膀胱癌(がん)、膀胱結石などの膀胱疾患や、前立腺肥大症、前立腺癌などの前立腺疾患でも膀胱容量の低下をきたします。

 排尿障害が原因となっている場合もあります。神経因性膀胱、前立腺肥大症、尿道狭窄(きょうさく)などの下部尿路疾患があり、残尿が多量にあれば夜間頻尿の原因となります。排尿機能を診るには残尿測定が重要です。超音波検査を行う必要もあります。泌尿器科専門医の診断を受けてください。

 夜間頻尿のため寝不足とのことですが、夜間頻尿と睡眠障害も密接な関係があります。逆に睡眠障害のために尿意覚醒(かくせい)が起きて、二次的に夜間頻尿になる場合もあります。

 夜間頻尿には、原因に応じた適切な治療が必要です。全身の浮腫や高血圧を認める夜間多尿では循環器疾患の治療を考えます。1日総尿量が多いと認められる場合は習慣性多飲・多尿や糖尿病の可能性があり、その治療が行われます。日中の眠気や倦怠(けんたい)感、就寝時や夜間覚醒後の寝つきの悪さなどからは睡眠障害が考えられますので、これに対する行動療法として散歩や日光浴、軽い運動が推奨されます。睡眠障害を伴わない夜間膀胱容量の減少には薬物治療を行います。生活習慣として水分やアルコール、食塩摂取量が明らかに多い場合はそれを制限することで改善に向かいます。

 いずれにしてもあきらめることはありません。改善の方法はあるはずです。あなたが快適な生活を過ごすための治療方針を立てるためには、排尿日誌を書いて泌尿器科専門医に相談してみてください。

徳島新聞2005年12月4日号より転載

  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
  • 徳島県医師会公益通報窓口について
  • 健康事業所宣言をし、認定を受けました。
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.