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【質問】 両手の指先が曲がり痛む

 73歳の女性です。痛風と診断され、血液の尿酸値が高かったのですが、3カ月前から両手の指先が曲がってきて、指のつめ先が膨れて痛くなりました。整形外科の先生に手術してもらったら、痛風で石が出てきたといわれました。3カ月ごとに消毒に通っていますが、別の指も痛くなってきています。先生は飲み薬で治すようにというので、飲んでいますが、足の指も手と同じようにつめ先が膨れてきているので、毎日が悲しくなってきました。血液検査をしましたが、リウマチではないとのことです。脂肪食が体に悪かったのでしょうか。これから先どうしたらいいか、教えてください。



【答え】 痛風関節炎 -似た病気に注意内科治療も一方法-

那賀川診療所内科 本田 壮一(那賀郡那賀川町苅屋)

痛風関節炎の特徴
▼男性に多い(女性の20倍の頻度)
▼足の関節、特に親指に多い(関節は指の根元の関節)
▼一つの関節に発症する
▼痛みと腫れは急速に強くなり、多くは24時間以内に最高になる
▼患部を動かさなくても痛む
▼足を酷使した後、飲酒後、肉類を食べた後に起こりやすい
▼特別な治療をしなくても、1、2週間で自然に回復する
▼高尿酸血症を是正しないと、再発を繰り返す
 痛風の痛みは本当にいやな症状です。痛風の「風」は、風邪・中風(ちゅうぶ)(脳血管障害)と同じで、病気という意味です。

 痛風は、足の指が腫れてひどく痛む病気ですが、本態はからだの中に「尿酸」という物質が異常にたまる、からだ全体の病気(高尿酸血症)です。痛風関節炎の特徴を〈表〉にまとめました。

 相談者の症状を比較すると<1>頻度の少ない女性である<2>手の指、特に先端の関節に痛み・腫れがある<3>症状が一つの指の関節だけでなく、手の指が2本、足の指にも腫れが出現している<4>関節炎の症状が続き発作のようではない-という点が異なります。

 また「痛風で指の関節に石が出てきた」ということは、痛風結節(つうふうけっせつ)が考えられます。痛風結節は、足指、ひざ、ひじ、手指、足などの関節や関節周囲、耳たぶなどにできますが、多くは無症状です。しかも、痛風結節は、高尿酸血症になって尿酸値が高い状態が長く続いたときにみられ、初期にみられることは少ないです。そこで、痛風とよく似た関節炎を起こす病気について考えてみます。

 痛風は尿酸の結晶によって引き起こされる急性の関節炎ですが、ピロリン酸結晶による急性関節炎を偽痛風(ぎつうふう)といいます。偽痛風とは、にせの痛風、痛風の症状に似ているが、痛風とは異なる病気という意味です。

 偽痛風は、女性に多く、平均年齢は70歳で、相談者とよく合います。発作の関節は、ひざ、手、ひじ、足関節が多く、激痛、発赤、腫れ、熱感を認めます。偽痛風の診断には、骨のレントゲン写真が有用で、ひざや骨盤の関節軟骨に沿った線状の石灰化を認めます。また、手の関節の手術で石が出てきたということですが、その結晶を分析すると尿酸とピロリン酸の結晶を区別することが可能です。

 次に「リウマチの血液検査が陰性」とのことですが、関節リウマチでも、血液検査で分からない型(約20%)があります。関節リウマチは、1時間以上続く朝のこわばり、3個以上の関節の腫れ、手首や指の根元や真ん中の関節の腫れ、左右対称的な関節の腫れ、また手首・指のレントゲン写真での変化、皮下(ひか)結節(けっせつ)などで診断されます。女性に多い病気で、30~50歳に発症することが多いといわれています。相談者は指先が腫れるとのことですが、関節リウマチでは腫れにくい部位です。

 さらに、変形性関節症があります。これは40歳以上で、男女同数で発症します。よく起こる関節は、ひざ・指の先の関節です。

 相談者の病気は、高尿酸血症があり、かつ痛風結節を伴った痛風関節炎の状態と思いますが、その他の病気が加わっていることも否定できません。これらの病気の区別が質問の内容だけではできないので、整形外科の先生によく相談し、場合によっては内科に紹介してもらうのも一方法です。きっと適切な治療が見つかると思います。 

徳島新聞2004年2月1日号より転載

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