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【質問】 首のほくろ取り除きたい

 40歳の女性です。2年前から、首のところに茶色のいぼのようなほくろができ、とても気になっています。取り除くことはできますか。顔にある黒いほくろは、なくすことができますか。子どもの場合はどうですか。芸能人で、ほくろがなくなった人も見かけます。また、日光ほくろとは、どんなものですか。ほくろができないようにするには、どんな点に気を付ければいいのでしょうか。何科を受診したらいいですか。



【答え】 老人性いぼ -電気焼灼法や液体窒素で処置-

喜多美容形成外科 喜多 孝志(徳島市東山手町3丁目)

 「ほくろ」と一般的に言われているものに、母斑と呼ばれるあざが小さな点状に現れた黒子(こくし)や、母斑細胞が増えていぼ状に盛り上がった母斑細胞母斑などがありますが、シミに含まれる脂漏性角化症や老人性色素斑なども、ほくろに間違われることがあります。

 首のところにできているものは、おそらく脂漏性角化症で、いわゆる「老人性いぼ」といわれているものだと思います。目立つものは、電気焼灼(しょうしゃく)法、または炭酸ガスレーザーで削除すればいいのですが、液体窒素でも、繰り返し処置すれば取れてきます。形成外科または皮膚科を受診すればよいと思います。

 顔にある黒いほくろを取り除くには、直径六ミリ以内ならば、くり抜き法で、ほくろの部分を丸く切り取ります。吸収糸で縫い縮めると早く治ります。手術後は抗生物質入りの軟膏(なんこう)を塗るだけです。小さな傷あとは残りますが、ほとんど目立たなくなります。直径八ミリ以上の場合は、単純切除縫合法で取った方が傷あとが目立ちにくいと思います。ほくろのある場所や大きさによっては、周囲の皮膚を寄せて切除部を覆う局所皮弁法により取り除いた方が、ゆがみやひきつりが少なく、傷あとが目立たないこともあります。

 傷あとが気になる人は、母斑の治療に使うQスイッチ・アレキサンドライト、またはルビー・レーザーなどで、色素のある細胞だけ壊せば傷あとはできにくいのですが、色素が深く濃い場合は、治療の回数が多くかかってしまいます。盛り上がったほくろは、レーザーよりも切除した方がよいと思います。

 子どもの場合は、局所麻酔と手術に協力的であれば切除できます。母斑用レーザーは、テープを張るだけの麻酔で照射できるので、照射中に怖がらずじっとしていられるようであれば適しています。

 日光ほくろとは、老人性色素斑のことで、日光によく当たる場所にできる色素沈着によるシミのことです。治療法としては、レチノイン酸とハイドロキノンの外用で薄くします。外用で効果がなければ母斑用レーザーで治療を行います。盛り上がった老人性いぼの場合は、電気焼灼法で削除します。

 ほくろは生まれつきのものなのですが、日光(紫外線)にあたると色素が増えたり、刺激すると大きくなるものがあります。紫外線はシミもつくるので日光を避け、あかすりでこすったり、皮膚を刺激しないようにすればいいでしょう。

 ほくろで注意することは、ほくろに見えて悪性黒色腫であったり、悪性化するものもまれにあることです。<1>直径8ミリ以上のもの<2>急に大きくなったもの<3>色が均一でないもの<4>色がくっきりせず周囲ににじんでいるもの<5>出血などの症状があるもの-などの異常を感じたら、皮膚科などで受診した方がよいと思います。

徳島新聞2003年9月14日号より転載

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