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【質問】 ホルモン補充について教えて

 53歳の女性です。更年期障害と診断され、はり薬で治療しています。3cmほどのはり薬で、どのようなホルモン補充になるのでしょうか。飲み薬との違いはどうなんでしょうか。教えてください。



【答え】 更年期障害 -投与法は体質などで-

三谷産婦人科医院 三谷 弘(徳島市吉野本町4丁目)

 更年期を迎えると、女性の体の支えであるエストロゲンという女性特有のホルモンの分泌が急激に減ってきます。このため、さまざまな症状が出てきます。例えば、のぼせ・ほてり、発汗、関節痛、動悸(どうき)・息切れ、めまい、手足の冷え、頻尿、肌荒れ、首・肩のこり、便秘、下痢、腹痛など、一般的に更年期障害と呼ばれる症状や、尿失禁、性交痛などもあります。最近、注目されている骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、脂質代謝異常による動脈硬化、心筋梗塞(しんきんこうそく)、脳卒中、老人性痴呆(ちほう)症などもエストロゲンとかかわっているといわれています。

 エストロゲンは骨からカルシウムの消失を防ぎ、腸管からのカルシウムの吸収を助けています。更年期の女性はエストロゲンの分泌が急激に減るため、男性に比べて骨粗鬆症になる率が高いのです、また、エストロゲンの減少は脂質代謝の異常も引き起こします。

 エストロゲンは動脈硬化の原因となるコレステロール値の上昇を抑える働きをしています。エストロゲンが減少するとコレステロール、特に動脈硬化を促進する悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が上昇します。コレステロール値が高くなると、血管を硬化させたり、血管に血栓ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞(脳卒中の一つ)の原因となります。このような症状や病気のすべてをエストロゲン減少のせいだけにはできませんが、頭に入れておいてうまく対応することも必要です。

 さて、このエストロゲンの補充方法ですが、経口投与、経皮投与、経膣投与、皮下移植投与、筋肉内投与などがありますが、現在、広く使われている方法としては経口投与(飲み薬)、経皮投与(はり薬)、筋肉注射の3つです。いずれの投与法でも効果には大きな差はありませんが、長所、短所があります。質問の女性がしている経皮投与を選択する理由としては

<1>胃腸が弱く、絶えず胃薬を内服している
<2>肝臓が悪い
<3>更年期障害症状に変動があり、経口投与では良くなったり、悪くなったりしてコントロールが困難
<4>定期的に内服できない-などが考えられます。

 一方、はり付け部位の皮膚刺激性の点から皮膚の弱い人は経皮投与は当然、不向きです。

 最後に更年期を上手に乗り切る身体と心のバランスを整えるコツ10カ条を示します。

<1>目の前にあることは一つずつこなす
<2>一度に一つのことだけ考える
<3>悩みは親しい人に相談する
<4>思い立ったらすぐ実行する
<5>1日30分、自分のための時間をつくる
<6>体をリラックスさせる時間をつくる
<7>生活のリズムを守る
<8>気持ちの切り替えをする
<9>ストレスがたまっていることを自覚する
<10>「嫌なことを考えまい」とするのではなく、「放っておく」感覚を身に付ける。

徳島新聞2002年6月23日号より転載

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