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【質問】 生のサバを食べ猛烈な腹痛

 46歳の男性です。先週の日曜日にサバを釣ったので、夕食に刺し身で食べたところ、夜中から猛烈な腹痛がして何度か吐きました。我慢できず、かかりつけの医者に内視鏡で診てもらったところ、アニサキス症だといわれました。幸い虫を取り出してくれたので、腹痛も治まりました。アニサキス症とはどんな病気で、何に気をつけたらよいのでしょうか。



【答え】 アニサキス-内視鏡で寄生虫摘出-

沢内科胃腸科 院長 澤 靖彦(鳴門市瀬戸町明神) 

 アニサキスと呼ばれる線虫が寄生したサバやイワシなどを生食することで起こる消化器障害をアニサキス症といいます。

 アニサキスは体長2~3cm、幅0.5mmくらいで、頭部に鋭い歯を持つ白っぽい糸くず様の幼虫です。この幼虫が人の胃や腸の壁(粘膜)に侵入し、腹痛などの症状を起こさせます。前者を胃アニサキス症、後者を腸アニサキス症として区別しています。

 ご質問は、アニサキス症の大部分を占める胃アニサキス症についてですので、以下、胃アニサキス症を中心にお話します。

 アニサキスの成虫は、クジラやイルカなどの海産哺乳(ほにゅう)動物の胃内に寄生し、その卵がふん便とともに海中に排泄(はいせつ)されます。海中で孵化(ふか)し、幼虫となってオキアミに捕食されます。オキアミはサバやイワシなどの魚介類のえさになり、アニサキスの幼虫は、魚介類の内臓表面に生息します。これらのアニサキス幼虫の寄生した魚介類を人が生食することで発症します=図参照。

 症状は、魚介類を食べた4~8時間後に胃の張った感じや吐(は)き気が生じ、次いで胃を中心とした周期的な激しい痛みや嘔吐(おうと)が起こってきます。

 あなたのように夕食で食べた場合、夜中に激痛に襲われて来院するケースが多いようです。食中毒と勘違いして来院されることがありますが、アニサキス症は発熱がなく、下痢もほとんどありません。

 原因となる魚介類は150余種が知られ、地域により原因となる魚種は異なります。県内ではサバ、イワシ、アジが3大種です。特にシメサバとイワシのぬたによることが多く、他にカツオ、ハマチ、最近では産地直送のニシンやタラのこともあります。

 幼虫は通常濃度の食塩や食酢中で50日、冷水中では100日も生存し、完全に死滅させるには氷点下20度で24時間以上の冷凍や、70度以上の熱湯に数秒間浸す必要があります。魚が生きているうちは内臓表面に寄生しますが、死後は筋肉内へ移動するので、生魚のうちに内臓を除去したり、刺し身は細かく薄めに切ったりして、よくかんで食べれば大丈夫です。栄養価の高い旬の魚をおいしくいただいてください。

 治療法は、有効な薬剤がありませんので、胃内視鏡で虫を摘出します。放置した場合は1週間前後で死滅し、便とともに排泄されますが、まれに腸アニサキス症を起こすことがあります

徳島新聞2001年9月30日号より転載

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