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【質問】 水泡乾いたが痛み取れず

 70歳間近になって「ヘルペス」という、痛みを伴う皮膚病にかかりました。入院して点滴した方がいいといわれたのですが、通院で投薬をお願いし、1日5回分の塗り薬とのみ薬をもらって20日ほどになります。水疱(すいほう)はきれいに乾きましたが、痛みはあまり取れません。やはり点滴したほうが良かったのでしょうか。痛み止めも最近はあまり効きません。ヘルペスについて教えてください。



【答え】 ヘルペス -初期に適切な治療を-

浜田皮ふ泌尿器科 院長 浜田 実(鳴門市撫養町斎田)

 ヘルペスには・単純性疱疹(ほうしん)と帯状疱疹の2種類あります。ご質問の内容から考えて後者の急性期の症状が続いているのではと思われます。まず、一般的な事項を説明しながらお答えします。

 帯状疱疹は「水痘(とう)、帯状疱疹ウイルス」によって起こります。このウイルスに感染すると最初は水痘になります。ところが、水痘が治ってもウイルスは完全に死滅せず、神経節に潜んで生き続けます。そして免疫力が何らかの原因で低下したとき、ウイルスが活性化して、知覚神経を通って表皮細胞で増殖し、多数の小さな水泡を作ります。これが帯状疱疹です。免疫力がどのような原因で低下するかは、はっきり分かっていませんが、ストレスとか過労、加齢や病気などと深いかかわりがあるものと思われます。

 症状としては、まず痛みから始まることが多く、ピリピリした軽いものから灼熱(しゃくねつ)感を伴ったズキンズキンする激しいものまでいろいろあります。1週間ほどすると患部の皮膚が赤くなり、ここに水疱が出てきます。虫に刺された程度の軽いものから、帯状に連なる重症なものまであります。

 やがてこれが膿(のう)疱に、そしてかいようやかさぶたになり、3週間ぐらいで色素沈着を残して治癒(ゆ)します。一般的には皮膚症状が消失すると痛みも次第に薄れ1~3カ月もすると気にならなくなるのが普通です。

 しかし、ズキンズキンするような非常に強い痛みを感じるときは、皮膚症状が消失しても痛みが残り、いつまでも続くことがあります。これが帯状疱疹後神経痛です。高齢者や免疫力の低下した人は、抵抗力が十分でないので、ウイルスによって神経が大きなダメージを受けると、なかなか元の状態には戻りにくいのです。

 帯状疱疹は発症初期に適切で十分な治療をすれば帯状疱疹後神経痛への移行を防ぐことができ、また、経過もかなり軽く済むといわれています。神経痛のような症状があって皮膚が赤くなってきたら、できるだけ早く皮膚科を受診することが大切です。

 帯状疱疹の治療は抗ウイルス剤の内服、外用、さらに重症の場合は抗ウイルス剤の点滴、そして痛みに対しては消炎鎮痛剤などの薬物療法が基本となります。

 ご質問の方は入院の上、点滴を勧められたそうですので、重症だったのだと思います。しかし、抗ウイルス剤の内服と外用をされていますので、十分に治療はされていると思います。帯状疱疹にかかられて、まだ20日ぐらいしか経過しておりませんので、急性期の痛みが残っているものと考えられます。患者さんの約7割は皮膚症状が消失した後も、1カ月程度は、何らかの痛みが残るといわれていますので、だんだんよくなっていくのではないでしょうか。

 治療法は他にもいろいろありますが、最も大切なことは、帯状疱疹の初期症状を見逃すことなく、神経痛の痛みや紅班ができたら、速やかに抗ウイルス剤による治療を受けられることだと思います。

徳島新聞2000年12月10日号より転載

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