徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

【質問】 薬を飲み始め耳鳴り

 60代後半の主婦です。1年ほど前、突然ふらっとしたので、病院で血圧を測ってもらうと200にも上がっていました。そのときは注射で下がったのですが、1週間後にまたふらつき、今度は点滴を打ち、薬をもらいました。今まで血圧など測ったことがないほど元気だっただけに心配です。血圧の薬は、飲み始めたらやめてはいけないと聞いているので、ずっと飲んでいます。ところが、飲み始めたころから耳鳴りがするようになりました。耳鼻科の先生は異常ないといいます。血圧の薬が合わないのでしょうか。薬は何種類もあると聞きますが、薬を変えてもらったほうがよいのでしょうか。



【答え】 高血圧と薬 -降圧剤の変更を考慮に-

碩心館病院 院長 矢野 勇人(小松島市江田町大江田)

 耳鳴りやふらつき、めまいは高血圧の症状と考えてよいでしょう。ところが、血圧の薬(降圧剤)を飲んでも耳鳴りがするとのこと。恐らくまだ安定した降圧効果が出ていないためだと考えられます。

 ご指摘のように、1日朝1回服用するだけでよい降圧剤が何種類かあります。これらは1~2週間服用することによって、安定した効果が得られます。従って耳鳴りが1~2週間続くようなら降圧剤を変えてもらった方がよいと思います。

 以下、よく使われる降圧剤の種類を簡単に説明します。

 〈利尿降圧剤〉

 腎臓に作用してナトリウムを水分とともに排せつし、尿の量を増加させる。副作用として低カリウム血症、高尿酸血症、糖尿病悪化があります。

 〈交感神経遮断薬〉

 交感神経の興奮を抑えて血圧上昇を断つ薬です。α遮断薬、β遮断薬、αβ遮断薬があり、それぞれ作用が異なります。副作用としてはαがめまい、ふらつきなどの起立性低血圧症状、βは脈拍数が減る徐脈やインポテンツ、ぜん息などがありますが、世界中で最も利用されています。

 〈アンギオテンシン交換酵素阻害薬〉

 血圧を上げるアンギオテンシンと呼ばれる酵素に作用して、血圧の上昇を抑えます。副作用には空せき、発しんがあります。

 〈カルシウム拮抗(きっこう)薬〉

 カルシウムが筋肉内に入るのを抑制し、血圧を下げます。副作用には頭痛、顔面紅潮、便秘などがあります。

 〈血管拡張薬〉

 血管を広げて血圧を下げます。腎臓障害のある患者に有効です。副作用は、頭痛、動悸(どうき)、めまい、おう吐などです。

 続いて降圧剤の服用にかんして述べます。

 他の病気が原因の高血圧(二次性高血圧)の場合は、その病気を治せば血圧は下がります。しかし、原因不明の高血圧(本態性高血圧)の場合は、一時的な薬の服用によって完全に治療することができません。一度、高血圧になってしまったら、生涯高血圧の状態から抜け出せないと考えてよいでしょう。

 従って降圧剤の服用を始めたら、生涯飲み続ける覚悟をしなければなりません。そして薬の効果を高めたり、何種類もの薬を服用しないで済むようにするのが、減塩食や肥満防止、適度な運動です。また降圧剤は、ある人にはAの薬が効き、他の人にはBの薬が有効というように、一律ではありません。なかにはAとBを併用するとよい人もいます。

 医師も最初から、この人にはこの薬というように断定できません。最初は一般的な薬を用い、効かなければ別の薬というように、手探りの状態で患者に適した薬を見つけるのです。高血圧の治療は、医師と患者の二人三脚で進めるものなのですから自分勝手に飲んではいけません。必ず医師の指示に従ってください。

 医師が薬の作用、副作用などについて説明するはずですが、疑問な点は質問して理解しましょう。そして医師と患者のコミュニケーションを深め、患者の状態を医師が十分に把握できる関係を築きましょう。

徳島新聞2000年6月11日号より転載

  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
  • 徳島県医師会公益通報窓口について
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.