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【質問】 出産後も続くふらつき

 33歳の主婦です。昨年8月に出産しました。出産の直前にめまいを起こし、内科、耳鼻科、眼科、産婦人科とあらゆる病院で受診したのですが、特に悪いところはないとのことでした。しかし、今も、めまいやふらつきがあり、何か大きな病気の前ぶれではないかと不安です。出産するまで何かと心配が多く、ストレスがたまっていたのですが、それが原因でしょうか。治療法があれば教えてください。



【答え】心因性のめまい -休養し、ストレス発散を-

はしもと和クリニック 橋本 和典(徳島市八万町内浜)

 めまいは、<1>周りがグルグル回るように感じる回転性めまい<2>足が地につかない、フワフワするという感じの非回転性めまい<3>気が遠くなるような、失神するような感じのするめまい-に大別されます。

 <1>の回転性めまいは、主にどちらか一方の平衡感覚をつかさどる器官、つまり内耳などの障害が原因です。<2>の非回転性めまいは、両側の平衡感覚をつかさどる器官の障害や脳の病変が原因です。それに加えて精神的なストレスなどが原因となる心因性めまいもこれに含まれます。

 <3>のめまいは、脳血流の低下が原因で、若い人では起立性低血圧、高齢者では動脈硬化がその原因と考えられます。

 脳出血、脳こうそくなどの脳血管障害からめまいを起こすこともありますが、この場合は意識障害やまひなどの症状を伴いますので、容易に判別できるといえます。

 また、脳腫瘍(しゅよう)などの大きな病気からめまいが起こる場合も、CT、MRIなどの検査により診断がつきます。

 あなたの場合、出産の直前にめまいを起こし、いろいろな科で検査をして、特に異常がなかったということですから、原因のはっきりしないめまいで、心因性のめまいではないかと思われます。

 妊娠中の女性は、母になるという身体的、心理的、社会的な重圧にさらされます。また、妊娠によってホルモンのバランスも卵巣主体のものから、胎盤主体のものにすっかり変わってしまい、精神的にも身体的にも不安的な状態になります。

 特に、妊娠後期には睡眠が浅くなるといった生理学的変化と陣痛、分娩(ぶんべん)に対する恐怖、子育てに対する不安などが重なり、より一層不安定になります。過換気発作やめまいなどの神経症症状が出現しやすいのもこの時期です。

 出産直後は、再びホルモンのバランスが大きく変わり、ちょうど更年期と同じような状態となって、心身ともに混乱を来します。出産後2週間ほどの間に約3割の人が一過性のうつ状態になり、これがマタニティー・ブルーと呼ばれることは一般によく知られています。

 1~2カ月すると、ホルモン的には安定してきますが、育児による疲れ、睡眠不足、思うように子育てができないことからくるあせりなどから、精神的に不安定な時期は続くと思われます。

 出産するまで何かと心配が多く、ストレスがたまっていた、とお書きですが、妊娠中にあったさまざまな精神的かっとうが解決されないまま出産に至り、不安発作としてのめまいが出現したのでしょう。そして、問題を抱えたまま、出産後の不安定な時期に入ってしまい、その後も症状が持続しているのだろうと思います。

 現在も子育てで大変な時期であり、その上に精神的なストレスやめまいからくる不安があり、非常に重荷になっていることと思います。このような時は夫や実家のご両親などと十分に話をして、現状を理解してもらい、いろんな問題は周りの人に肩代わりしてもらって、ゆっくり休養することが大切です。

 それでも症状が持続するようであれば、精神科や診療内科を受診して、精神療法を受けたり、必要であれば、お薬をもらったらいかがでしょうか。

徳島新聞1999年7月11日号より転載

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