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【質問】 労働すると腰に痛み

 68歳の主婦です。腰の痛みに悩まされています。1年ほど前のある朝、激痛が走り、起き上がれなくなりました。2日間ほど寝ているとだいぶ良くなり、近くの内科で診てもらったところ、骨が老化しているとかで、痛み止めの薬を処方してもらい、回復しました。ところが、それから、草抜きや大掃除などの労働をすると痛くなってくるので、そのときは急いで痛み止めの薬を飲みます。薬を飲んでいるせいか、寝込むほどではありませんが、いつか歩けなくなるのではないか、と心配しています。友人が「恐らく骨粗しょう症だから、痛み止めの薬では根本的な治療にならない」とアドバイスしてくれました。でも、何科に行けばいいのか分からず、そのままにしています。



【答え】 骨粗しょう症 -カルシウムとり運動を-

七條整形外科 院長 七條 茂文(徳島市北常三島町)

 腰痛の原因は、恐らく骨粗しょう症によるものと思います。背骨がもろくなり、自然に圧迫骨折を起こしかけているかもしれません。ぜひ一度、整形外科で骨塩量(骨をつくっているカルシウムの量)の測定、背骨のレントゲン検査などを受けてください。的確な診断と治療が必要です。

 骨粗しょう症は年とともに骨塩量が減り、骨がもろくなって折れやすくなる病気で、圧倒的に女性に多いのです。男性は80歳を過ぎてから患者が増えるのに対し、女性は50代から急に増え、80代では7割が骨粗しょう症にかかっているといわれています。全国の患者は男女合わせて400~500万人で、予備軍を含めると1千万人と推定されています。

 なぜ、女性に多いのでしょう。骨粗しょう症は女性ホルモンと大きな関係があります。女性ホルモンには骨をつくる重要な働きがあります。ところが、閉経で女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減ると、骨塩量が急激に減少して骨をつくる働きが弱まります。女性の骨塩量は生涯一定したものではなく、年齢とともに変化するのです。

 女性の骨の形成は10代から活発になり、20代でピークに達します。男女とも、更年期にかかる年齢のころから骨塩量は少しずつ減り始めますが、女性は閉経を迎える50歳過ぎから10年ほどの間に急激に低下し、その後も緩やかに減ります。

 従って、中年以降の女性は骨塩量の減少をできるだけ抑える努力が必要です。そのためには、まずカルシウムを多くとる(1日800ミリグラムから1,000ミリグラムを目標に)とともに、カルシウムが効率よく骨を形成できるよう、毎日のウオーキングなど健康的な運動習慣を身につけることが大切です。ウオーキングは、更年期の女性だと早歩きで1日30分以上、高齢者は1日7,000歩以上を目標にしましょう。

 1日30分から1時間の日光浴を心がけることも必要です。日光浴によって、カルシウムの吸収を助けるビタミンDがつくられます。

 骨粗しょう症で骨塩量が減るのも、骨折を起こしやすいのも海綿骨で、その部位は決まっています。手首、肩の付け根、太ももの付け根、ろっ骨、かかとの骨、脊椎などです。これらの骨折の多くは転んで折れるのがほとんどですが、脊椎は体重の重みによって自然に圧迫骨折を起こし、背中が丸くなったり、曲がったり、背が縮んだりしてきます。

 骨粗しょう症のやっかいなところは自覚症状のないことです。知らぬ間に進み、骨折を起こして初めて気づく人がほとんどです。骨粗しょう症になり、それが骨折という形で現れるのは70~80代になってからです。

 骨粗しょう症の治療は骨塩量が減り、ある程度骨がもろくなっても、薬や食事、運動などで再び骨塩量を増やすことは可能です。しかし、骨が折れてしまうほど骨塩量が減ってしまってからでは手遅れです。

 最近は簡単に骨塩量を測ることができます。骨塩量を測ることで、骨折の発生も予測できます。骨塩量は若い女性のピーク時の平均骨塩量を標準値として、その8割以上あれば正常、8~7割が骨量減少、7割未満を骨粗しょう症と呼んでいます。

 早いうちに自分の骨塩量を測り、手遅れにならない前に予防することが必要です。この病気の予防は、年をとってからのクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上にもつながります。まだまだ先の話だと思わずに、予防や治療に心がけてください。

徳島新聞1998年11月29日号より転載

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