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【質問】重篤な副作用が心配

 保育園児から中学生まで3人の子どもを持つ母親です。小児科でB型肝炎の予防接種を勧められました。この病気に関する知識がないので、予防接種を受けさせた方がいいのかどうか迷っています。接種した場合、重篤な副作用はあるのか、割合はどのくらいなのか気掛かりです。私たち40代の親世代も接種した方がいいのでしょうか。

 山田こどもクリニック 山田進一院長

 【答え】早い時期に接種して

 B型肝炎ワクチンは、世界で初めてのがん予防ワクチンです。B型肝炎ウイルスは、感染が持続すると肝硬変や肝がんになります。日本での感染者は150万人程度と推定されており、約1割が肝硬変や肝がんになっています。

 どうして子どもにB型肝炎ワクチンが必要なのでしょうか。

 肝硬変や肝がんは大人の病気と思っている方が多いと思いますが、多く方は3歳までに感染しています。日本ではそのほとんどが、キャリア(ウイルス保有者)のお母さんから赤ちゃんへの母児感染(分娩(ぶんべん)時)によるものだったので、1985年から、キャリアのお母さんから生まれた子どもだけに予防をしてきました。

 これで、日本での肝炎患者はなくなると期待されました。しかし、父や祖父母からの家族内感染が存在することや、感染経路が分からず、知らず知らずのうちにキャリアになっている人も報告され、今もキャリアは発生しています。

 子どもがB型肝炎ウイルスに感染しても自覚症状はほとんどありません。キャリアになっても気付かれることがないため、保育園での集団感染も報告されており、集団生活に入る前に予防することが必要です。

 また、3歳以上で感染した場合は、キャリアにならず一時的な感染で治ってしまうものと考えられていました。ところが、ウイルスは肝臓にずっと潜んでおり、リウマチやがんなどで免疫を抑える治療を行った場合に、ウイルスが再活性化して家族に感染した報告もあります。  最近は国際化に伴い、欧米型のB型肝炎ウイルスが日本でも定着してきました。欧米型は、成人で感染した場合でも一部の人はキャリアになるため、子ども時代に気を付ければいいとは言い切れなくなってきています。

 B型肝炎、ワクチン型肝炎の一番強い感染源は、キャリアの血液や精液です。つまり、母児感染とパートナーとの性行為が主な感染ルートとなっています。しかし、それ以外にも唾液、涙、汗、鼻水、尿にもウイルスが存在することが分かっています。  ですから、父や祖父母から感染したり、部活動で集団感染したり、かみつきなどで感染したという報告もあります。私たちの皮膚には見えない傷があって、そこから感染すると考えられます。

 WHOの調査によると、2009年に179の国と地域のうち70%以上が、子どもたち全員に3回、B型肝炎ワクチンを接種しています。さらに、日本が所属する西太平洋地域では90%以上の子どもたちにワクチンが接種されています。日本は世界基準の予防接種を行っていない数少ない国になってしまいました。

 子どもが感染すると、大人よりキャリアになりやすいので、なるべく早い時期に接種しましょう。他のワクチンと一緒に、生後2カ月からするのがお勧めです。不活化ワクチンなので3回の接種が必要です。4週間間隔で2回接種し、さらに20~24週間経過した後に3回目を打ちましょう。この時期を逃した場合は、できるだけ早い時期にかかりつけ医で打ってもらいましょう。

 ワクチンの主な副反応は注射部位の赤み、腫れ、しこりや、全身反応としての倦(けん)怠(たい)感、頭痛などで、発現頻度は5~10%程度です。ほとんどが無処置で数日中に改善します。

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