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【質問】年々下痢がひどくなる

 70代の女性です。年齢のせいか年々下痢がひどくなってきました。夏場も下痢が続いていたので消化器内科で診てもらうと、「過敏性腸症候群」と診断されました。ストレスが要因の一つのようですが、日常生活で気を付けることがあれば教えてください。

日比野病院  日比野真吾副院長

【答え】 生活習慣・食事の改善を

 過敏性腸症候群とは、おなかの痛みや張りなどの症状と、下痢や便秘などのお通じの異常を長期にわたって繰り返すにもかかわらず、一般的な検査では原因となるような、がんなどの器質的な病気を認めない腸管の機能性疾患です。先進国に多く、一種の文明病とも考えられています。

 便の状態から下痢型、便秘型、その両方を交互に繰り返す混合型、分類不能型に分類されます。ご質問の方は下痢型と思われます。

 症状には下腹部の痛みや不快感、おなら、ごろごろとしたおなかの音、張った感じや吐き気などがあります。そして、これらは便が出たらやや軽くなる傾向があります。  さらに、めまい、頭痛、肩凝りなど胃腸以外の症状や、不安感、不眠などの症状がみられることもあります。ストレスや生活習慣などが要因と考えられていますが、いくつかの要因が関係していることが多いようです。

 そもそも、下痢はどうして起こるのでしょうか。食べたものは胃から腸に進みます。腸に入ったときには多量の水分が含まれていますが、1日近くかけてゆっくりと腸の中を進んでいくうちに水分が吸収され、ちょうどいい硬さの便となります。

 ところがストレスなどで腸の運動が乱れ、過剰に動くようになると、消化物が腸の中を素早く通過してしまいます。このため腸が水分を十分に吸収できなくなります。その結果、便が泥状や液状となってしまい、下痢を引き起こします。

 腸と脳には密接な関係があります。腸と脳は神経によってつながっていて、脳が不安やストレスを感じると、その信号が腸に伝わって腸の運動に影響します。ただ、この不安やストレスは、必ずしもそれをストレスであると自分で感じているわけではありません。

 過敏性腸症候群では、この脳から腸へのストレス信号が伝わりやすくなっているため、腸が過剰に反応してしまうのです。また、腸の刺激に対する感覚も敏感になっていて、痛みを感じやすくなっているのです。

 さて、日常生活で気を付けることですが、症状は精神的なストレスや生活の乱れによって引き起こされることが多いため、改善するためにはこれらの要因の解消が基本となります。

 ▽朝昼夕の食事を決まった時間に取る▽腹八分目にして暴飲暴食を避ける▽睡眠や休養を十分に取る▽ストレスを解消する▽朝の排便を習慣づける-といった生活習慣の改善と、食事療法、薬物による治療が中心となります。

 食べ物は、脂っこいものや香辛料などの刺激物、冷たい飲食物などを避けましょう。喫煙やアルコール、カフェイン、乳製品も症状を悪化させることがあります。適度な運動は、腸の働きを整えてくれるだけではなく、気分転換やストレスの解消にもなります。生活の中に体操や散歩などの軽い運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 薬物には、腸の運動を調整する薬剤や腸の中の水分を調整するもの、また腸の中には細菌がいますが、これらを調整するものなどを用います。また、内臓の感覚過敏や脳が過敏になった状態を調整するため、不安を抑える薬を使うこともあります。

 過敏性腸症候群の症状はゆっくり改善することが多く、良くなってきたと実感するのにしばらくかかることもあります。症状も人それぞれなので、ご自身の状態を主治医にじっくり相談し、根気よく治療をしていただくことが大切だと思います。

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