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【質問】出産後に尿漏れ経験

 30代の女性です。出産後、よく尿を漏らすようになりました。くしゃみをしたり、荷物を運ぶため体に力を入れたりすると、自然に漏らしてしまいます。外出中の思いがけないときに尿漏れするので、尿漏れ防止パッドを使うようになりました。出産後に尿失禁を経験する人は少なくないと聞きます。治療すれば治るのでしょうか。

 徳島市民病院泌尿器科 津田恵 先生

 【答え】体操や手術療法で効果

 尿漏れは比較的女性に多い症状で、特に、妊娠・出産をきっかけに尿漏れを経験される方は多くいらっしゃいます。おなかに力が入ったときに尿が漏れてしまうのを「腹圧性尿失禁」といいます。

 妊娠・出産では、骨盤を支えている筋肉や組織が損傷します。また長時間、赤ちゃんの頭で圧迫されたり引き伸ばされたりすることで、排尿に関わる神経にもダメージが与えられます。赤ちゃんが大きかったり、分(ぶん)娩(べん)が長時間にわたったりした場合、その影響は大きいと考えられます。

 ご質問の方は、出産後に尿漏れを自覚されたようですが、出産されてどれぐらいの期間がたっているのでしょうか。先に述べたように、腹圧性尿失禁は、筋肉や神経が出産によるダメージを受けることによって起きます。そのため、出産後2カ月ごろまでに骨盤周辺の組織が急速に回復し、それとともに症状の自然回復が期待できます。

 報告によれば、出産後3カ月までに腹圧性尿失禁がなくなった方の中で、5年後に症状があるのが42%であるのに対し、3カ月までに症状がなくならなかった方の92%が5年後にも症状があるとのことです。

 そのため、出産後3週間は骨盤の回復を促すよう、重い物を持ち上げるといった骨盤に負担がかかる動作は避け、体を休めることが大切です。また、産(さん)褥(じょく)期(き)に腹筋運動をしたり、下腹部を締め付けるコルセットをしたりするのも控えた方がいいでしょう。

 昔から産後の「床上げ」が1カ月程度といわれているのは、こういったことも意味しているのだと思います。3カ月以上経過している場合でも、適切な治療を行えば、腹圧性尿失禁は十分に改善するか、もしくは治癒が見込めます。

 治療としては、骨盤底筋体操や手術療法が主となります。また、ダイエットでの減量も腹圧を減らすには効果的です。

 骨盤底筋体操とは、尿道、膣(ちつ)、肛門を5秒間引き締めた後に緩めるという動作を繰り返す運動です。効果が表れるまでに少なくとも1カ月、通常は3カ月程度の継続が必要ですが、適切に実施できていれば、半数以上の方に効果がみられます。  手術療法としては、緩んだ尿道を支えるように、メッシュのテープをサポートとして挿入する手術が普及してきています。症状が重い場合、体操やダイエットでは十分な効果が期待しにくいですが、手術療法は体の負担も少なく、効果も高い確率で期待できます。

 尿漏れは多くの女性が悩んでいるにもかかわらず、恥ずかしいと感じ、相談や病院での受診をせずに過ごしている方が多くいらっしゃいます。治療が可能な病気ですので、悩みがある方は積極的に相談してみてください。

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