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【質問】耳の中が痛く聞きづらい

 50代の男性です。耳の中が痛くなって聴こえが悪くなり、耳鳴りもするようになりました。難聴の恐れがあると思い耳鼻科で診てもらうと「急性中耳炎」と診断されました。鼓膜切開をして経過観察しています。完治するのでしょうか。

高石司耳鼻咽喉科 高石司 先生

【答え】内耳障害の症状にも注意

 鼓膜の奥の中耳は、本来無菌の状態です。耳と咽(のど)をつなぐ耳管からウイルスや細菌が侵入して定着し、増殖することにより急性炎症を起こします。これが急性中耳炎です。主に小児にみられる病気で、少なくとも80%が3歳までに1回はかかります。

 症状は▽耳が痛い▽熱が出る▽耳が詰まった感じがする▽聴こえにくい-などです。乳児では▽機嫌が悪い▽耳を触る▽頭を振る-といった動作で見つかることもあります。

 以前は、抗生物質の服用や、鼓膜切開などの外科的処置で比較的治りやすい病気でした。鼓膜切開とは鼓膜に穴を開けることにより中耳にたまった膿(うみ)を出し、細菌の量を減らして中耳に空気を入れるための手術です。この手術により痛みが和らぎ熱が下がります。

 しかし最近は、急性中耳炎が治りにくかったり、何度もかかったりすることがあるため問題になっています。これは抗生物質の効きにくい細菌が増えていることや、集団保育の場において感染の機会が増えているのが原因です。こうした状況の中、「小児急性中耳炎診療ガイドライン」が作成され、2006年から治療に利用されています。

 中耳炎を起こす細菌の代表として、肺炎球菌とインフルエンザ菌があります。これらの細菌に対してワクチンの接種が行われていますが、残念ながら、中耳炎を起こすインフルエンザ菌に対しては効果がありません。肺炎球菌については、まだ一部しかカバーできていませんが、今年から強化されていて将来的には期待できます。

 小児が中耳炎にならないように、考えておかなければならないことがあります。一つは、たばこを吸わない人がたばこの煙を吸うこと(受動喫煙)による問題です。年齢の低い子どもほど、血清ニコチン濃度が高くなるので注意が必要です。中耳炎になりやすくなったり、治りにくくなったりする原因の一つです。

 もう一つは、授乳時の赤ちゃんの姿勢です。赤ちゃんを寝かせた状態で授乳すると、母乳やミルクが耳管から中耳に入りやすくなり、中耳炎になります。赤ちゃんの頭を起こした自然な姿勢で授乳する必要があります。最近は赤ちゃんの姿勢を考えたほ乳瓶も売られています。

 ご質問の「急性中耳炎」についてですが、おそらく風邪などの上気道の炎症から生じた急性中耳炎だと思われます。咽頭炎などに対する治療も必要かも知れません。成人の場合、中耳の奥の内耳に障害が起こることがあります。耳鳴り、めまいなどの症状に注意する必要があります。

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