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【質問】最も有効な治療法 教えて
 50代の女性です。少し前から慢性的に咳(せき)が出るようになり、最近は血(けっ)痰(たん)、喀(かっ)血(けつ)がみられます。病院で「気管支拡張症」と診断されました。どのような治療法が最も有効でしょうか。

かわの内科アレルギー科  河野徹也先生

【答え】理学療法や抗菌薬で対処  

痰に血液が混じると心配ですね。肺結核や肺がんを連想される方も多いでしょう。  ある統計によると、血痰の約40%は風邪などで傷ついた、喉や鼻の奥の粘膜からの出血です。その他の約40%は精密検査をしても原因が分からずに治ってしまうものだそうです。残りの約20%の中にさまざまな病気が入っており、ご質問の気管支拡張症や肺炎、気管支炎、耳鼻科領域の病気などがあり、肺がんや結核といった深刻な病気は数%程度だそうです。  しかし、たとえ数%の頻度であっても、肺がんや結核など重大な病気の可能性がありますので、血痰が出た場合は医療機関を受診してください。  気管支拡張症は、気管支が広がって元に戻らない病気です。▽生まれつき(先天性)▽小児期の肺炎▽肺結核など感染症の後遺症▽気管支炎や肺炎などで炎症を繰り返す-などで気管支の壁が破壊されることによって起こります。  気管支の一部のみに起こることもありますが、広範囲に及ぶ場合もあります。気管支は空気の通り道だけではなく、空気とともに吸い込んだ病原菌などの異物から体を守る働きもあります。気管支が拡張すると気管支の浄化作用が低下し、痰がたまって細菌などが繁殖しやすくなります。その結果、気管支炎や肺炎を引き起こしやすくなります。  症状は、気管支の分泌液が拡張した部分にたまり、姿勢の変化で分泌物が流れることで咳や痰を繰り返します。細菌感染症により黄色~緑色の痰(膿性痰)が出ることがあります。  また、肺炎や気管支炎を繰り返した気管支の周りには、血管が増えて血痰や喀血(空気の通り道から血を吐くこと)が出現することもあります。約30~40%に副鼻腔(びくう)炎(蓄膿(ちくのう)症)を合併します。  診断方法は、胸部レントゲン写真やCTで、円筒状や袋状に拡張した気管支を認めることで診断します。  治療方法は、無症状の場合は治療をしないで経過を観察することがあります。症状が安定しているときには、吸入療法や痰を出しやすくする薬の内服、痰を出しやすい体位を取ること(体位ドレナージ)などの理学療法を行います。  症状の軽減や炎症を抑えるために、一部の抗菌薬(マクロライド系)を長期内服する場合があります。発熱や膿性痰の増加する増悪期には、原因となった細菌に有効な抗菌剤を投与します。  血痰に対しては止血剤の投与を行い、喀血が多量の場合や続く場合は出血している血管をふさぐ治療(気管支動脈塞栓(そくせん)術)や外科的手術を行うことがあります。  質問者の方は、現在通院されている病院に定期的に受診し、適切な治療の継続と風邪・インフルエンザの予防など体調管理が大切だと思います。

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【写真説明】左が正常な気管支、右は拡張した気管支
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