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【質問】注射跡こすってしまった

 生後7カ月の子どもの母です。BCG予防接種後すぐ子どもを抱き直そうとした際、接種部位全体を手でこすってしまいました。乾く前にこすったことで、抵抗力が低くなる可能性はあるのでしょうか。また、乳幼児がかかる全身性の結核症や結核性髄膜炎とはどんな病気なのか教えてください。

 ひなたクリニック 市岡隆男 先生

 【答え】化膿なければ問題ない

 接種部位全体をお母さんの手でこすってしまったとのことですが、数日以内に雑菌による化膿(かのう)が起こらなければ問題ありません。またBCG接種後の正常な皮膚反応がみられれば結核菌に対する免疫はできており、十分な抵抗力がついているはずです。

 結核は、結核菌という細菌が人の体内に入ることによって起きる病気です。結核菌は主に飛沫(ひまつ)感染で肺に侵入するため、咳(せき)、痰(たん)、発熱、呼吸困難といった風邪のような症状を呈することが多いのですが、腎臓、リンパ節、骨、脳など全身に病変が起きることもあります。

 結核はいまだに日本の主要な感染症の一つで、高齢者を中心に毎年2万人以上の患者が発生しており、世界的にみれば日本はまだ結核の中蔓延(まんえん)国という状況にあります。

 子どもは結核菌に感染すると発病しやすく、また発病するまでの期間が短いのが特徴です。乳幼児は抵抗力が弱いため、結核菌が血液の流れに乗って全身にまき散らされ、多数の臓器におびただしい数の結核性病変(粟粒(ぞくりゅう)結核)が形成されることがあります。

 また結核菌が髄液中に入って起きる結核性髄膜炎は、発熱、頭痛、嘔吐(おうと)、けいれんなどの症状で発病しますが、今でも死亡率が高く、命を取りとめてもてんかん、知能障害、運動障害などの後遺症を残しやすい予後の悪い病気です。

 乳幼児の重症の結核を予防するため、乳児期にBCGワクチン接種が行われているのです。BCGは結核を予防するワクチンの通称であり、牛型結核菌を長時間かけて弱毒化したものです。BCGワクチンは結核感染を完全に予防できるものではありませんが、乳幼児の重症結核を約7割ほど予防するといわれ、その効果は10~15年ぐらい続くと考えられています。

 BCGワクチンは結核予防法に基づいて施行されており、2005年以降は生後6カ月までに接種されていましたが、13年4月1日からは生後1歳に至るまでの間(標準的には生後5~8カ月)に接種するよう変更されました。

 接種後、2~6週ごろに管針の跡が赤くなって小さな膿(うみ)をもつ反応がみられ、通常は1~3カ月でかさぶたができて自然に治ります。

 既に結核に感染している場合には促進反応が起こり、少なくとも接種後10日以内に接種部位が赤くなって化膿し、急速にかさぶたを生じて治ってしまいます(コッホ現象)。この場合は、結核にかかっていないかどうかを確認するため、医療機関でツベルクリン反応や、血液検査などを行う必要があります。

 副反応としては、リンパ節の腫れや局所・全身の皮膚症状などの比較的軽度な局所反応は時々みられますが、骨炎や全身性のBCG感染症、アナフィラキシーなどといった重大な副反応は非常にまれです。

【写真説明】BCG接種後の正常な皮膚反応。左から10日後、1カ月後、3カ月後
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