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【質問】肩が痛くて安眠できない

 40代の女性です。昨秋から右肩が痛みだし、肩より高く上がらなくなりました。特に夜は腕や肩の痛みで目覚めることもあり、安眠できません。整形外科で鎮痛剤を処方してもらっていますが効果はみられません。なぜ痛みが生じるのでしょうか。運動すれば治るのでしょうか。

 

 

 国見医院 國見欣也 先生

 

【回答】腱が炎症 7割以上治癒

 

 ご相談の内容を<1>病状・病態<2>治療に分けて述べます。

 

 <1>病状・病態について

 

 内容から判断して「四十肩」「五十肩」だと思います。これは「肩関節周囲炎」という傷病名で、40~60歳によく発症する代表的な肩関節疾患であり、肩関節の疼痛(とうつう)と運動制限をきたすもので「疼痛性肩関節硬着症」「凍結肩」ともいわれている症候群です。

 

 肩関節構成体の中で上腕を上げるのに関わる棘上筋腱(きょくじょうきんけん)が退行性変化変性炎症を起こし、しばしば周辺組織、特に滑液包(かつえきほう)に炎症が波及します。その結果、肩関節周辺に痛みを伴って関節運動障害をきたし、肩関節運動ができずに拘縮(凍結)が起こります。

 

 発症症状はやや急性に始まるものと、初めから慢性のものがあります。疼痛は肩関節部の不愉快な倦怠(けんたい)感、違和感にすぎないものから、自発的疼痛が肩甲帯にとどまらず頸(けい)部、上肢に拡散するものもあり、特に夜間痛が強いのが特徴的です。圧痛点(図参照)は大結節、結節間溝、烏口(うこう)突起、後方四角にあることが多く、慢性期になると圧痛は後方に著明となりやすい傾向にあります。

 

 この症候群の中で25~50歳の比較的若年の女性に多いものに「石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)」があります。これは肩関節に急性の激痛が起こるもので、痛風発作によく似ていますが、圧痛点が上腕骨大結節であることと、レントゲン写真で肩峰下(けんぽうか)スペースに石灰沈着を認めるのが特徴です。

 

 原因は、内分泌説、腱の部分壊死(えし)、代謝説、自律神経説などによる石灰化などが報告されていますが、定説はありません。また石灰化があっても無症候のこともあります。そこで今回は、肩関節周囲炎で特に石灰沈着性腱板炎を疑いました。

 

 このほか、上腕二頭筋長頭炎もあります。レントゲン写真で石灰化を認めず、圧痛点が上腕骨結節間溝にあります。また烏口突起炎は、圧痛点が烏口突起にあります。そして発症後、時間がたつにつれて肩関節周辺の至る所に炎症が広がることがあり、組み合わさると疼痛が非常に強くなり、関節障害がさらに進行し厄介になるわけです。

 

 <2>治療について

 

 急性期と慢性期で少し治療法が異なります。急性期(発症~1週間)は自発の痛みが非常に強く、局所の炎症を伴うので、安静、運動制限と、圧痛点への局所麻酔剤とステロイド剤注射を週1、2回行います。

 

 急性期を過ぎた炎症消退時期以降で、ご相談の時期も含めて慢性期となると、各種理学療法、運動療法が主体となります。肩患部の温熱療法により肩の循環を良くして棒体操、滑車運動、前屈位体操などを行います。特に前屈位体操は、痛めた棘上筋を弛緩(しかん)させたまま肩関節の拳上訓練を行うことができます。

 

 この症候群は根気よくリハビリを続けることで可動域が改善し、次第に関節痛も軽減して治癒することが多い疾患です。6カ月~3年くらいの期間を要し、70~80%は治癒するといわれています。消炎鎮痛剤や湿布投与のほか、ヒアルロン酸関節内注射、末梢(まっしょう)神経障害性疼痛剤の内服も効果が認められることがあります。詳しくは整形外科専門医にご相談ください。

 

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