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【質問】視力矯正手術に不安

 40代の男性です。近視がひどく、眼鏡ではスポーツなどで不便なこともあるので、視力矯正手術「レーシック」に興味を持っています。ところが、手術経験者の4割以上が不具合を感じているとして消費者庁が注意を呼び掛けていることを知りました。受けない方がいいでしょうか。

 

三木眼科 三木聡 先生

【回答】安全性高いが合併症も

 レーシックとは、特殊なレーザーを使って角膜の一部を切除することによって近視や乱視などの屈折異常を治療するレーザー手術のことです。欧米では1990年から、日本でも2000年から厚生労働省の許可を受けて行われています。

 レーシック以外に屈折異常を治療する角膜の手術はいくつかありますが、手術後の視力回復が早いこと、手術後の痛みが少ないこと、手術効果の確実性、安全性の高さから、現在ではレーシックが角膜屈折矯正手術の代表的な治療法になっています。

 昨年12月に消費者庁が「レーシック手術を受けた消費者の4割以上が不具合を感じています」と発表しましたが、それを聞いて、とても残念に思いました。600人を対象としたインターネットによるアンケート調査ということですが、その600人が本当にレーシックを受けた人たちなのかは不明だし、手術後どれくらいの時期かも不明です。

 手術直後は当然何らかの症状があります。手術後、一過性のドライアイなどが起こることはよく知られています。これらすべてが「不具合」とされています。本当にそれほど不具合が多いのであれば、これほどレーシックは普及していないでしょう。レーシックは本来安全で有効な治療法であり、世界中で一般的に行われています。

 屈折異常を矯正する方法は眼鏡、コンタクトレンズ、レーシックがありますが、それぞれ良い点、悪い点があります。

 レーシックの良い点は眼鏡やコンタクトレンズが必要なくなること、裸眼視力が上がるのでスポーツや災害時に有利だということです。また悪い点は、手術なので合併症の起こることがあるということです。具体的に言うと、手術後一時的に光がにじむ、光が放射状に広がる、ドライアイ、夜間視力の低下などです。ただしこれらの多くは時間とともに改善してきます。

 その他の問題点に過矯正があります。裸眼視力で1・5や2・0を目標にするあまり、近視を矯正しすぎて術後に遠視になってしまうことを言います。遠視になると眼精疲労や近くのものが見えにくくなり、日常生活に支障をきたすことがあります。

 またレーシック手術後はある一定の割合(約1割)で視力の戻りがあります。インターネットで手術後の視力が1・5や2・0になることを宣伝したり、安価な治療を提示したりしている施設は、この視力の戻りを加味して過矯正を目標にレーシックを行う傾向があるので注意が必要です。

 相談者の方は40代であり、調節力が恐らく衰えてきていると思われるため、眼精疲労や近くのものが見えにくくなる症状が強く出る可能性があります。したがって視力矯正の目標は裸眼視力1・5や2・0を目指すのではなく、やや控えめの設定をした方が良いでしょう。

 いずれにしてもレーシックを受けるときは、手術前に起こり得る合併症と問題点について十分に説明を受け、納得・同意しておくことが必要です。視力1・5や2・0といった数字にこだわるのではなく、日常生活が裸眼で不自由なく過ごせる程度の視力が良いと思います。

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