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【質問】長年、咳に悩まされている

 70代後半の女性です。若いころから咳に悩まされ、何十年も咳止め薬を常用しています。特に夜、床についたら咳がよく出て、ゆっくり休めません。耳鼻科では肺をはじめ、どこにも異常はないと言われました。どんな原因が考えられますか。またどんな病院や科を受診したらいいでしょうか。

 阿南共栄病院耳鼻咽喉科 大西皓貴 先生

 【回答】アレルギーなど原因多様

 咳(咳嗽)反射は、気道内に貯留した分泌物や異物を気道外に排除するための生体防御反応です。咳嗽は持続期間により、3週間未満の急性咳嗽、3週間以上8週間未満の遷延性咳嗽、8週間以上の慢性咳嗽に分類されます。

 急性咳嗽の原因の多くは感冒を含む気道の感染症ですが、持続期間が長くなるにつれて感染症の頻度は低下し、慢性咳嗽においては感染症そのものが原因となることはまれといわれています。相談者は何十年も咳に悩まされているということで、慢性咳嗽について述べさせていただきます。

 慢性咳嗽の原因疾患としては、喉頭アレルギー、咳喘息、アレルギー性鼻炎による後鼻漏などのアレルギー性疾患や副鼻腔気管支症候群(SBS)、胃食道逆流症(GERD)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、感染後咳嗽、心因性咳嗽などがあります。また、肺に異常はないとのことですが、肺がん、肺結核、エックス線透過性気道異物なども挙げられます。

 咳嗽を誘発する因子としては、降圧薬(ACE阻害薬やβ遮断薬)の内服、解熱鎮痛薬(NSAIDs)の内服、喫煙などがあります。しかし、これらのいずれにも当てはまらない原因不明の慢性咳嗽が10%程度あると報告されています。

 耳鼻咽喉科における特に頻度の高い慢性咳嗽は、喉頭アレルギー、アレルギー性鼻炎による後鼻漏、SBS、GERD、感染後咳嗽です。

 喉頭アレルギーやアレルギー性鼻炎による後鼻漏には、抗ヒスタミン薬が有効です。SBSには、抗生物質(マクロライド系抗生物質少量長期投与を含む)、去痰薬、消炎酵素薬が中心となります。GERDにはプロトンポンプ阻害薬を中心とした胃酸分泌抑制薬が、感染後咳嗽には中枢性鎮咳薬、抗ヒスタミン薬、麦門冬湯などの漢方薬が有効です。

 前述した以外で注目すべき疾患として、睡眠時無呼吸症候群があります。特に高齢者では睡眠時に上気道を形成する筋肉が緩み、あおむけに寝た状態では舌や口蓋垂の周りが落ち込んで上気道が狭くなります。その他、肥満の人や顎が小さい人、扁桃腺や舌が大きい人、鼻閉がある人などが起こりやすいです。

 口を開けて寝ていることで口・喉が乾燥し咳が起こったり、上気道の狭窄のため喉に違和感があり咳が起こることがあります。また、睡眠時無呼吸症候群の4割以上にGERDが合併することが報告されています。前述のようにGERDも慢性咳嗽の原因であり、注意が必要です。

 睡眠時無呼吸症候群については以前の県医師会相談室(2011年7月31日付、徳島新聞ホームページに掲載)で詳しく述べられているので機会があればご参照いただくか、専門医にご相談ください。

 長年悩んでおられるとのことで、耳鼻科専門医だけでなく、肺疾患鑑別のために呼吸器専門医に、また心因性を考慮して心療内科の専門医に相談してみてはいかがでしょうか。

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