徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

【質問】便に血が混じっている

 50代前半の男性です。最近、便に血が混じっていることが多いように感じています。痔(じ)と思っているのですが、他に何か考えられる病気などはありますか。ちなみに普段からどちらかといえば軟便で、おなかを下すことも少なくありません。
 
 

木村内科胃腸科 木村好孝 先生
 
 【回答】原因特定へ内視鏡検査 
 
 血液の混じった便が肛門から排出される状態を「下血」といい、色調の違いから黒色の「タール便」と、鮮血に近い「血便」に分けられます。
 
 胃や小腸など肛門から比較的遠い消化管からの出血では、血液が消化液や腸内細菌の影響を受けるために、タールのように黒色に変色して「タール便」となります。
 
 一方、肛門から距離的に近い部位、つまり、大腸から肛門までの出血では、消化液や腸内細菌の影響を受けず、そのまま排出されるため、鮮紅色の「血便」となります。
 
 質問の方の場合は、おそらく「血便」が考えられますので、肛門から近い部位の病変が疑われます。主な疾患と、その特徴については、以下の通りです。
 
 <1>痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)
 
 痔核は、肛門の入り口の静脈がこぶのようにふくれた状態をいいます。裂肛は、硬い便により肛門の粘膜や皮膚が切れたときに起こります。便通は下痢よりむしろ便秘傾向になります。また排便時に肛門の痛みや不快感を伴います。
 
 <2>大腸ポリープ
 
 大腸の粘膜がもりあがり、いぼ状の塊ができる疾患です。ポリープが小さいうちにはほとんど無症状ですが、大きくなるにつれて腸の内容物がポリープの表面を刺激するため出血することがあります。
 
 <3>直腸がん、大腸がん
 
 早期の場合は、ほとんど症状がなく、血便も肉眼で確認できないため、検査を受けないと分かりません。進行がんの場合には、特に排便後に出血することが多く、また、便通は便秘と下痢を繰り返し、排便習慣の変化をきたします。また便が細くなったり、排便後もすっきりしない、しぶり腹になったりすることもあります。
 
 <4>潰瘍性大腸炎
 
 大腸の粘膜に潰瘍やただれができる炎症性の疾患で、30代以下の若い人に多い病気ですが、最近では、40代、50代になって発病する人も増えてきています。粘液の混じった血性の下痢が特徴的です。
 
 <5>虚血性大腸炎
 
 大腸へ血液を供給する動脈が狭くなることにより起こる病気です。高齢で、心臓疾患や脳卒中などの動脈硬化性疾患や糖尿病を患っている人に多く、左側の腹痛とともに、急に血便が出ることが特徴です。
 
 <6>大腸憩室症
 
 大腸の粘膜の一部が外側に押し出され、袋状の小さなくぼみができる病気です。一般的には無症状ですが、炎症を起こし、出血する場合があります。
 
 今回のケースでは、痔の可能性もありますが、直腸がんや大腸がん、またはポリープからの出血を痔と思い込んでしまい、長い期間放置してしまうことが心配されます。また粘液便を伴う場合、潰瘍性大腸炎も考えられます。いずれにせよ、血便があるということは、何らかのアラームと考えて精密検査を受けることが必要です。これらの「血便」の原因を最も正確に診断できるのが、大腸内視鏡検査です。
 
 大腸がんは、戦後から急激に増加し、2020年には胃がん、肺がんを抜き、日本人の罹患(りかん)数、罹患率は男女ともに1位になると予想されております。がんは高齢になるほど罹患リスクが高くなる病気ですが、大腸がんも同様で、40代から罹患率が上昇し始めます。かかりつけ医と相談し、大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。

  • 感染症について
  • 研修医募集のお知らせ
  • 広報出版物
  • 東日本大震災に関する情報
  • 徳島県医師会は混合診療解禁に反対です
  • 徳島県医師会公益通報窓口について
  • 健康事業所宣言をし、認定を受けました。
© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.