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徳島県小児科医会 日浦恭一

 日本のポリオは1950年代に大流行して多い年には5,000人以上の患者が発生していましたが、生ワクチンが導入された後には著しく患者数が減少しています。1980年に最後の野生株ポリオの患者が1名発生してからは野生のポリオは発生していません。



 しかし全世界に目を転じると現在でもインドやアフガニスタン、アフリカのナイジェリアなどでは野生株ポリオが発生しています。WHOでは全世界のポリオを撲滅する計画に基づいてワクチン接種計画を進めていますが、アフガニスタンなど政情不安定な地域でのワクチン接種は軍隊に守られて行うような命がけの困難な事業であり、全世界のポリオを撲滅することはまだまだ先のことになります。

 世界のどこかにポリオがある限りポリオは日本に侵入してくる可能性があります。現在、日本の野生株ポリオはまったく発生していませんが、ポリオに対する抗体を持っていない年齢層の人がポリオウィルスと接触した場合には発病する危険性があります。ポリオは伝染力の非常に強い疾患です。ポリオが全世界から撲滅されるまでは我が国でもポリオワクチン接種の手綱を緩めることはできません。

 ポリオが撲滅された地域では生ワクチンから不活化ワクチンに変更されています。ポリオの生ワクチンには接種された子どもの中からまれに神経麻痺を来すことがあります。さらにポリオ生ワクチンを接種した人の周囲にワクチン株ウィルスを伝搬して発病する場合もあります。このような生ワクチンを中止して発病や周囲への伝染の危険性のない不活化ワクチンに変更するのが今回のワクチン行政上の変更点です。ワクチンの意義を正しく理解して対応することが大切です。

徳島新聞2012年9月19日掲載

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