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徳島県小児科医会 日浦恭一

 今年9月からポリオワクチンは経口生ワクチンに代わって不活化ワクチンの注射が定期接種に採用されました。今月はポリオについて考えてみました。



 ポリオ(小児麻痺)はポリオウイルスの感染によって神経細胞が障害され、運動麻痺をきたす病気です。ポリオウイルスはエンテロウイルスに属するウイルスで、咽頭と腸管で増殖し、経口感染します。リンパや血液の流れに乗って中枢神経系に侵入し、特に腰髄の脊髄前角細胞が障害されることによって神経麻痺が発生します。

 わが国のポリオは1950年代後半から大流行し、1960年には年間5,000人以上の患者が発生しています。1961年にカナダと旧ソ連から緊急にポリオの生ワクチンを輸入して日本の全小児に経口接種しました。その結果、日本のポリオ流行は急速に終息しました。

 その後、わが国でも経口ポリオ生ワクチンが生産されるようになり、定期接種として最近まで継続して接種されてきました。その結果、我が国の野生株ポリオは1980年の発生を最後に発生していません。

 しかし自然感染によるポリオが減少するとともにポリオ生ワクチンによるポリオの発生(副作用)が問題になってきました。ポリオ生ワクチンには頻度は低いながらポリオの発生が見られることがあります。さらにワクチンウイルスが周囲に伝搬して周囲の免疫のない人にポリオを感染させることがあります。

 このようなポリオ生ワクチンによる副作用の問題を解決するために不活化ポリオワクチンの導入が急がれていたのです。今月から定期接種としてポリオ生ワクチンが中止され、不活化ワクチンが採用されたのです。

徳島新聞2012年9月12日掲載

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