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 ペットの毛、フケ、乾燥した糞を吸い込むことで気管支喘息やアレルギー性鼻炎になったり、悪化することがある。本人や家族がアレルギー疾患の場合は金魚や熱帯魚などの水棲動物を飼育するのがよい。

 次に国内でみられるペットからうつる主な感染症は、

1. イヌ・ネコ回虫症
イヌやネコの回虫卵に汚染された砂場での砂遊びや、ペットの体毛に付着した虫卵がゴミとともにヒトの口に入り感染する。予防のためには砂遊びの後の手洗い、ペットの丁寧な糞の処置や駆虫をすることが大切。

2. ネコひっかき病
原因菌が最近発見された病気で、ネコにひっかかれたり噛まれることで感染する。症状は局所が赤く腫れ、微熱が続き、リンパ節が腫れる。予防はネコノミの駆除と爪を切ることや、ネコによる外傷を避けること。外傷を受けた場合は傷口をよく洗い、消毒をすること。

3. エキノコックス症
北海道のキツネなどから感染することがあり、流行地ではキツネに触れたり、沢の水や山野草を生食しないこと。

4. トキソプラスマ症
ネコの糞が口に入ったり、ブタ肉の生食が原因になる。妊婦が感染すると、流産や死産となったり、将来生まれた子どもが先天性トキソプラスマ症になることがある。

5. Q熱
イニやネコの糞とともに排泄された病原体を吸い込んで感染し、高熱、頭痛、筋肉痛などインフルエンザ様の症状や肝炎が起こる。動物が妊娠すると病原体数が増加するので、ペットの胎盤の処理には注意が必要である。

6. オウム病
鳥類(セキセイインコのことが多い)の糞中に排泄された病原体を吸い込んだり、口移しの餌付けの際にうつり、肺炎になる。治療には抗生剤が有効で、予防は病気になった鳥の治療と糞の処理には注意して欲しい。

7. 胃腸炎(エルシニア症、カンピロバクター症、赤痢、サルモネラ症など)
ミドリガメ、サル、イヌ、ネコなどの排泄物が口に入って発病する。ペットに触ったり、糞の処理をした後は丁寧に手洗いをすることが大切。

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