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 毎年冬になると、インフルエンザが流行してる。ことにインフルエンザの経過中に脳炎・脳症を発病することがあり、しかも子どもが罹ることが多く、死亡率の高い怖い病気である。 徳島県小児科医会では3年前より毎年、県内の小児インフルエンザ脳炎・脳症の発生状況の調査をおこなっており、3年間で乳児2名、幼児8名、学童5名計15名の患者が確認されている。このうち9名は回復したが、3名が死亡し、3名は後遺症を残している。

 厚生省の全国調査でも217名の患者が集計され、うち58名が死亡、56名に後遺症を認めている。この病気のもう一つの特徴はインフルエンザ発病後、脳炎・脳症の症状が現れるまでの期間が大変短いことで、15名中14名までが2日以内であった。また、インフルエンザワクチンの接種歴の調査では県内の15名、全国調査の217名の全員が接種していなかった。

 インフルエンザ脳炎・脳症の有効な治療法は現状ではかならずしも確立されているとはいえない。そこで、インフルエンザに罹りにくくすること、罹っても脳炎・脳症にならないようにすることが大切だ。このところインフルエンザワクチンを接種する人が激減していることもあり、最終的な結論は出ていないが、ワクチンを接種することが予防効果を高める最も有効な手段であると考えられている。13歳以下の小児は1~4週間の間隔で2回接種する必要があり、インフルエンザが流行し始まる12月中旬までに接種を完了しておくことが良いでしょう。

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