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 インフルエンザが流行すると、一番かかりやすいのは小・中学生を中心とする小児である。最近の十数年間はA香港型、Aソ連型、B型が、少しづつ変異しながら交互に、又は同時に混合して流行している。インフルエンザは気道に感染し、病変は殆どの場合気道にとどまる。しかし例外的に筋肉、脳、リンパ節に病巣をつくる場合がある。

 小児の場合、満五歳未満では合併症が起こりやすく、ワクチン接種の効果が期待出来る。また脳炎等の中枢神経合併症がワクチン接種によって予防できると考えられている。近年の予防接種法の改正により、小・中学生のインフルエンザ集団予防接種は行われなくなり、任意となった。普通このワクチンは三~四週間の間隔をおいて二回皮下注射するが、六歳以上になると、少しは免疫をもっている場合もあって、ワクチンは追加免疫の効果を狙うことになり、一回の注射でもかなり効果が期待できる。

 ワクチンの効果は接種後三ヶ月ぐらいがピークといわれ、流行時を見計らって接種するのが望ましい。いずれにしても、インフルエンザの予防にはワクチン以外になく、70%以上の有効率といわれる。副反応は注射を受けた部位が赤く腫れる程度で、発熱なども殆どない。また、ワクチンは卵を使ってつくるので、卵アレルギーがある場合は接種しない。現行のインフルエンザワクチンはHAワクチンしかなく、インフルエンザウイルスの変異に対応した不活化噴霧ワクチン、生ワクチンなど、多様なワクチンの開発が望まれる。

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