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【質問】眠れなくて困っている

30代の男性です。昨年の秋ごろから眠れなくなり困っています。目を閉じていてもなかなか寝付けず、気が付けば朝になっています。仕事中に眠くなるので、最近は睡眠薬を服用するようになりました。飲むと5時間ほどは眠れますが、途中で目覚めるとまた眠れません。このまま睡眠薬を常用しても大丈夫でしょうか。



【答え】睡眠薬の中止を焦らずに

城南病院 青野成孝

 不眠症にはさまざまな要因があります。ストレスなどの心理的要因、うつ病などの精神疾患による要因のほか、高血圧症や糖尿病といった生活習慣病などの身体疾患も要因となることがあります。また、薬の副作用として不眠が生じることもあります。

 不眠症の治療に用いられる睡眠薬は、作用時間によって超短時間型、短時間型、中間型、長時間型に分類され、不眠のタイプで使い分けられます。例えば、寝付きが悪いタイプには超短時間型や短時間型。睡眠を持続できず中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害が見られるタイプには中間型や長時間型を一般的に用います。

 相談者の場合、睡眠薬服用で寝付きは改善されているようですが、もし睡眠の持続面で効果が不十分とお感じであれば、もう少し作用時間が長い睡眠薬への変更を担当医にご相談されてはいかがでしょうか。

 薬物療法以外に、生活習慣を見直すことも不眠症の改善につながります。適度な運動を生活に取り入れるのも良いでしょう。ただし、就床直前のような夜遅い時間の運動は、体温を上昇させて入眠を妨げる恐れがあります。

 出勤前や夕食後の散歩や軽いランニングなどが効果的です。午前中に日光を浴びることは、体内時計の働きを正常化し、睡眠覚醒のリズムを整える効果も期待できます。

 過度な体温上昇を避ける意味では、就床直前に熱すぎる風呂に入るのも良くありません。ぬるめの湯にゆっくりと漬かり、リラックスすることを心掛けましょう。夜のカフェイン摂取や喫煙も不眠の原因になりますし、寝酒は寝付きを改善するものの、睡眠を浅くするため逆効果となります。

 相談者は睡眠薬の常用に不安を感じていらっしゃいますが、「睡眠薬の服用を続けると認知症になるのでは?」「依存性があり、やめられなくなるのでは?」と心配される方は少なくありません。

 睡眠薬で認知症になることはありませんが、服用後の行動を翌朝に覚えていない前向性健忘という症状がまれに起こります。これは一時的な症状であり、認知症とは全く異なりますが、混同によって「認知症になる」との誤解が生じたのかもしれません。

 また、古いタイプの睡眠薬であるバルビツール酸系睡眠薬は耐性(慣れ)が生じやすく、慣れを補うため徐々に増量せざるを得ないという問題がありました。しかし、現在、主に使用されているベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は耐性が生じにくく、医師の指導に基づいて適量を服用する限り、耐性や依存の問題はほぼ心配いりません。

 不眠が長期にわたると精神や感情が不安定になったり、身体の健康を害してしまったりすることもありますので、今は睡眠薬の中止を焦らず、しっかり治療されてはいかがでしょうか。

 睡眠を妨げていた要因が無くなって自然に睡眠がとれ、「眠れないのでは」との不安を感じなくなった時が睡眠薬のやめ時です。睡眠薬を中止する際は、急激に中断すると反動で不眠症が悪化する場合もありますので、医師の指導の下でゆっくりと減量しましょう。

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