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【質問】 切開以外の治療法は?

 高校3年生の息子を持つ母親です。息子は足の指が巻き爪(つめ)で、うみやすく、外科の先生から手術を勧められました。しかし今年は受験もあるので、手術するにしても来年にしようと思っています。ただ、問題は夏休みまでの部活。外科に行くと有無を言わさず切開されてしまうので、痛いのを我慢して続けているようです。切開すると、しばらく部活も休まなければなりません。切開以外の治療法はないのでしょうか。また、切開せずに一時的に痛みを抑える方法はないのでしょうか。



【答え】 巻き爪 -矯正や綿挟みなどで抑制-

健康保険鳴門病院 皮膚科 長江 哲夫

 巻き爪は、爪が横方向に巻いて爪の横や下の皮膚を挟み込む状態を指します。足に合っていない靴やハイヒールなどを履くことにより、爪が外側方向へ押されるために起こります。爪がどんなに巻いていても、炎症が起こらなければ痛みを訴えない人もいます。

 巻き爪を不適切に切ったり、正常でも全体に短くしすぎたり角を切り込んだりする(いわゆる深爪)と、周囲の皮膚が本来爪がある部分まで盛り上がり、爪が伸びてきたときに爪の角によって傷つけられます。すると、周囲の皮膚は炎症を起こして腫れ、爪が食い込むことになり痛みを生じます。これを医学的には陥入爪(かんにゅうそう)と呼んでいます。

 このとき、痛みが強いため食い込んでいる爪を切ると、一時的に痛みは弱まりますが、周囲の皮膚がさらに盛り上がり爪が伸びてくるとますます食い込むことになります。

 最近は、巻き爪と陥入爪のいずれでも、できるだけ爪を抜いたり切ったりしない治療法が考案されています。巻き爪では、爪が厚くなっていることが多く、厚い部分を削ると巻き具合が弱まり、皮膚を挟み込む状態が改善することがあります。また、超弾性ワイヤーという元に戻る性質の非常に強いワイヤーや、専用のプラスチックなどを爪に装着し、巻いた状態を矯正する方法が行われています。

 陥入爪では、綿や点滴のチューブを縦に裂いたものなどを爪と周囲の皮膚の間に挟み込んで食い込まないようにして炎症を抑え、正常な爪が伸びるのを待ちます。また、ネイルアートで使用されているアクリル樹脂で、欠けている部分の爪をつくり、周囲の皮膚が盛り上がってこないようにして爪を伸ばす方法もあります。

 ひどい陥入爪の場合には盛り上がった皮膚の一部を切除する処置や、爪の幅が広すぎて治りにくい場合には爪の一部を抜いてその部分の爪母(そうぼ、爪の根っこ)をフェノールという薬品で壊して生えなくしてから、炎症を抑えるなどの治療を行うこともあります。ただ、大部分の方はそのような処置をせずに、治したり症状を軽くしたりすることができます。

 ご相談の人は、陥入爪の状態ではないかと想像します。どのような手術を勧められているのかは分かりませんが、単に爪を切ったり抜くだけでは治癒は困難だと思われます。先に述べた治療法を、状態に合わせて組み合わせながら行っている皮膚科もありますので、電話で問い合わせてみてはいかがでしょうか。

徳島新聞2007年6月17日号より転載

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