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【質問】服薬期間を短くしたい

 20代の男性です。以前から胸やけの症状がありました。このところ吐き気が続くので病院に行くと「逆流性食道炎」と診断されました。胃炎だと思っていたのですが、内視鏡検査で判明しました。現在は薬で治まっていますが、薬をやめると再発すると聞いています。服薬期間を短くするための対処法があれば教えてください。

 

おかむら内科クリニック 岡村誠介院長

【答え】日常生活の中で工夫を

 逆流性食道炎とは、胃液や十二指腸液が食道に逆流して炎症を起こしている状態です。食道には胃のように粘膜を防御する機能がないため、食道の粘膜が胃酸にさらされるとただれてしまいます。胸やけはこの胃酸の逆流で起こる症状です。胃酸などが逆流する現象は胃食道逆流症といい、食道に炎症がなくても、胸やけなどの症状が起こる人もいます。

 食道と胃の境目には、胃酸の逆流を防ぐバルブのような働きをしている筋肉(横隔膜や下部食道括約筋など)があります。食べ物を飲み込むときに開き、それ以外は閉じているため、胃の内容物が食道へ逆流することは通常ありません。

 このバルブがうまく働かなくなると逆流が起こります。▽食道裂孔ヘルニア(胃の入り口の噴門を締め付ける横隔膜の部分が緩んで胃がずれ上がった状態)▽胃の手術後に高齢などの理由で緩んだ状態になっている▽過食の後▽肥満▽妊娠▽背骨の変形-などで背中が曲がることにより、腹部の圧力が上がった状態となって胃酸が押し上げられるのが原因です。最近は一過性に下部括約圧が弛緩(しかん)することも多いといわれています。

 逆流性食道炎の症状として典型的なものは胸やけで、時に心臓の発作(狭心症)のように感じることがあります。▽吐き気や、食べるとつかえた感じがする▽酸っぱいものが上がってくる▽胃がもたれる▽胃が張る-などさまざまな症状が現れます。

 また、喉の違和感、せきやぜんそく、虫歯など、胃や食道以外にも症状があり、呼吸器科、耳鼻咽喉科、歯科で受診する人もいます。ご自身で判断せず、一度、消化器内科にご相談ください。

 逆流性食道炎に対する治療は、原因となる胃酸の分泌を抑える薬が中心です。その他、胃酸を中和する薬や食道の粘膜を防御する薬、消化管運動機能の改善薬などを併用します。胃酸を抑える薬は「プロトンポンプ阻害剤」(ゆっくり効くが効果が強い)が多く用いられますが、効果が弱いものの即効性のある「ヒスタミンH2受容体拮抗(きっこう)剤」も有効です。

 しかし、完全に逆流を防止する薬はなく、薬でも治らないときは手術が必要になる場合もあります。また、薬をやめると症状が再発する可能性があります。

 まず、最初は症状が改善するまできちんと薬を飲み続けることが重要です。症状が落ち着くと、調子の悪いときに必要に応じて服用しても構いません。ただ、すべての方で可能なわけではなく、ご質問の方のように服薬期間を短くするためには日常生活の工夫が必要で、逆流を起こしやすい日常生活を見直します。

 ▽禁煙(たばこは噴門を緩める)▽ストレス解消▽肥満や便秘の解消▽長時間の前かがみの姿勢を避ける▽おなかを締め付ける服は控える▽食後すぐに横にならない-などです。

 夜中や朝起きたときに調子の悪い方は、上を向いて枕を高くして寝るなど気をつけてください。どうしても横向きでないと寝られない方は、右下よりも左下の方が逆流しにくいといわれています。

 そして食生活が重要です。急がずゆっくり食べ、腹八分目に。就寝前の食事は避けてください。油っこいものは噴門が弛緩し逆流しやすくなります。チョコレートやケーキなどの甘いもの、かんきつ類などの酸っぱいもの、香辛料、アルコール、コーヒーは胃酸の分泌を促しますので調子が悪いときは避けてください。

 このように日常生活の中で工夫することで、薬を服用する期間を短くすることが実現できる可能性はあると思います。

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