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【答え】服薬による治療を優先

宇都宮皮膚泌尿器科 宇都宮正登

 急に我慢できない尿意を催し、しばしば頻尿を伴って、時にトイレまで我慢できずに尿を漏らしてしまう。このような状態は過活動膀胱(Over Active Bladder=OAB)という病気かもしれません。

 40歳以上の8人に1人がOABの症状を持っているといわれ、実際の患者さんの数は800万人以上いると考えられています。最近はOABに対する有効な薬(過敏な膀胱の緊張を鎮める薬)が多く登場してきました。尿漏れや頻尿で困っている人にはうれしい薬です。

 しかし、男性のOABには注意が必要です。前立腺肥大症のある方は、まず前立腺肥大症の治療を行います。効果が十分でないときに、OABを考えた治療を加えたり、切り替えたりします。

 このような患者さんは、最初からOABの薬を飲むと、尿を押し出す力が弱って尿が出にくくなり、逆に調子が悪くなる場合がよくあります。前立腺肥大症の治療は、尿道を広げる薬や前立腺を小さくする薬を内服し、大きな前立腺肥大は手術することで尿を出やすくします。前立腺肥大症の治療をすることによってOABの症状が改善する場合も多く経験されます。

 現在の排尿症状を客観的に把握する方法として、排尿日誌をつけてみることをお勧めします。1日の尿量は1500ミリリットル、1日の尿回数は7回、1回に出る尿の量は200~300ミリリットルが成人における平均です。

 頻尿の原因には、1回の排尿量が減少している場合(頻尿)と、1日の尿量が増加している場合(多尿)とがあります。休日に自宅で1日の尿量を測定してみましょう。計量カップなどで、排尿した時間と毎回の尿量を記録するのです。生活習慣を変えるだけで改善する場合もありますので、この結果をもって主治医に相談してみてください。

 また、OABの原因として膀胱がん、膀胱結石、感染症などの病気が潜んでいることがありますのでご注意ください。

 ご相談の方の症状は、前立腺肥大症に伴うOABと考えられます。前立腺を小さくする薬を飲まれているようですが、まずはこの治療を優先すべきでしょう。いい薬ですが、効果が出るには数カ月、内服する必要があります。

 また、治療のポイントは前立腺の大きさですが、あまり大きくない方はOABの薬を併用することにより頻尿症状の改善が望めます。しかし、前立腺が大きい方は、今の治療を続けた上で症状の改善が見られない場合、手術による治療方法が勧められます。

 手術は内視鏡手術が基本で、10日程度の入院が必要ですが、高齢者にも安全にできる手術です。主治医にご相談ください。必ずいい治療法があるはずです。

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