徳島県医師会 トップページへ

  • 文字サイズ標準
  • 文字サイズ拡大
文字サイズ変更について
県民の皆さまへ

 最近、子どもたちの食事が乱れてきたと言われます。クラブや塾のために食事の時間がひどく遅くなったり、家族の都合で子どもだけで食事をしたり、朝食を抜くなど、とても不規則な食事になっているのではないでしょうか。食物は成長過程の子どもの身体を作る材料として非常に大切なものです。また食事を共にすることは、人と人との絆を強くするのに役に立つと思われます。

 私達は毎日3度の食事をすることがあたりまえのように思っていますが、食事の時間や回数は人によって随分異なっています。その時間も最初から決まっている訳でもありません。新生児期には1日に何度も授乳していて夜も昼もありません。生後1年頃には朝・昼・夜の3度の食事と、1~2度のおやつを中心に時間が決まってきます。このような食事のリズムは睡眠のリズムや体内のホルモンリズムと無関係ではありません。毎日決まった時間に食事を摂ることで、消化酵素やインシュリンの分泌リズムが確率し、効率的な消化・吸収ができます。食事のリズムが確立すると体内のエネルギーが安定的に供給され、その結果、安定した睡眠が得られ、他の生体リズムも安定して昼間の行動は活発に、夜間は静かに睡眠休息することが可能になります。反対に、食事の習慣が不規則になりますと、睡眠リズムを始めとする生体リズムが不規則となり、身体の活動や成長にも悪影響が及びます。

 我々の身体の中にある生体リズムの時計は常に社会の時間と時計合わせをしていなければなりません。時計合わせの目安として食事は重要な役割を担っています。他の人と食事を一緒にすることで、他人と共通の時間を持つこととなり、人間関係は密接になります。家族が共に食卓を囲むことで、家族の絆は強くなります。子どもを1人で食事させるようなことがあってはなりません。とくに夜少々遅くとも、朝食時には家族がそろって食卓を囲むことで毎日の大切な時計合わせが出来ると、その日の活動が有意義なものになるものと思われます。

2002年7月16日掲載

© TOKUSHIMA MEDICAL ASSOCIATION.